133. 四天王最弱
俺達は順調に魔物を倒しながら、魔王城へと接近していた。
「こっちは魔物が多い。遠回りしよう」
「は~い」
なるべく接敵をしないようにしながら進んでいるので、予定よりも時間が掛かっているが、安全第一だ。だが、避けすぎていても防衛している後方拠点に皺寄せがいく為、塩梅が難しい。
「…」
「どうしたの?」
「近くに拠点があるんだが、叩こうかどうしようか迷っていてな」
「やっちゃおうぜ!」
最近戦闘をしていなかったせいかイアンが乗り気になっていく。それに戦闘をしなさすぎると感が鈍ったりしてしまう可能性もある。
(…やるか、それに)
俺はスキットルに手を当てる。持ってきた酒が無くなった事を思い出す。敵の拠点なら食料の備蓄と共に酒の備蓄もあるだろう。それを奪えるならば潰すのもありだと思えてくる。
「じゃあ、作戦会議だな」
俺達は軽く作戦会議をしてから行動を開始した。作戦は簡単だ。俺以外の皆が正面で敵を引き付けている間に俺が頭を叩く。魔族は魔物に戦力を依存している。操る魔族が居なくなれば、その力を失う。敵を退ける一番簡単な手が、まず操っている魔族を潰す事だ。しかし、厄介な事に操れる魔物の数で魔族の強さは変わる。操れる魔物の数が多ければ多い程、強い魔族となる。今回の敵はかなり強力な魔族だろう。だが、俺にはそれはさほど問題では無い。出合い頭に頭に雷の矢を放って消滅させるだけで、相手は死ぬからだ。
俺は正面で戦闘が始まったのを確認してから拠点内部へと侵入する。魔族の拠点は人の拠点よりは侵入が楽だ。人の目が無く魔物がうろうろしているだけだからだ。順調に侵入していき、一番魔力の大きな反応がある部屋へとノックをせずに入って、間髪入れずに魔法を発動させて消滅させる。
「随分な挨拶じゃないか」
難なく躱されてしまったが、俺は動揺せずに周囲に居た魔物を殲滅する。続いて魔族に対してもデコイを使って攻撃を仕掛ける。俺もハルバードを取り出してデコイの後を追う。今回の魔族は中々に強かった。パトリシアより強いかと言われるとそうでもなかったが、かなり苦戦した。
相手が剣を振り下ろして地面を砕く。それを躱しながら魔法を発動させるがこれも避けられる。しかし、避けた先に居たデコイに魔族は足を切られた。俺は追撃で首を切り落とす。
「…我は四天王の中でも最弱。いずれ他の仲間が」
俺は最後の言葉を言い終わる前に魔族の顔を叩き潰す。
(忘れそうになるけど、時々RPGぽくなるよなこの世界……酒あるかな)




