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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第四章
132/223

132. 旅立ち

 遠征前日。俺はいつも通りの生活を送っていた。双子とパトリシア、ティナと一緒に食事をした。酒も遠征中はそれほど飲めないだろうから、今の内にたくさん飲んでおいた。


「じゃあ、俺は仕事に行ってくる」

「パパ行ってらっしゃい!」

「行ってらっしゃい!」

「早く帰ってきてね!」

「留守は任せておけ」


 パトリシアはなんとなく事情が分かっているようだった。任せて大丈夫だろう。俺は集合場所へと急いだ。


「お待たせ。行こうか」

「アリスちゃんとステラちゃんにお別れしてきた?」

「いや、してない。俺は生きて帰るかな」

「ふ~ん」


(カッコつけたけど、大丈夫かな。…生きて帰って酒飲みたいな)


 そして俺達は順調に進軍していった。


「そこに地雷がある。ソフィー」

「は、はい」


 ソフィーが魔法で地雷を爆発させる。その間に魔力感知に反応があった。


「皆、魔物だ数分後に接敵する。準備を」

「は~い」


 アリアネルのやる気の無い返事を聞いて、皆が戦闘の準備を始める。連携の取れた良い動きであっさりと魔物を討伐した。


「う~ん」

「どうしたの?」

「このパーティに俺って必要か?」

「何言ってんだ?お前の索敵が無ければもっと苦戦していたぞ」


 イアンが不思議な顔をしながら言ってくる。他の皆も頷いて同意してくる。


(まあ、楽できるならいいか)


「ルークがリーダーみたいだよね」

「そうだな。良ければこのパーティーのリーダーになってくれないか?」

「まあ、良いけど」


 アリアネルとリチャードの意見で俺はこのパーティーのリーダーになってしまった。また責任ある立場になってしまった。


「じゃあ、そんなリーダーから一つ忠告だ。俺達は敵に監視されている」

「え?どこ?」

「分からないが、時折視線を感じる。それにこちらの戦力を測るために相手は戦力をぶつけてきている。確実に探られている」

「…気が付かなかった」

「あまり奥の手は使わないように、手の内は隠しておけ。それから飛び道具には常に警戒しておけよ」

「分かったよ」


 俺達は出発時から監視されている。かなりの腕だ。探ろうとしてもどこに居るのか分からない。攻撃を仕掛けてくる素振りは全くないから、暫くは泳がせている。後々は対処しなければならないだろう。しかし、対処する良い方法は見つけていない。こんな時に密偵達が居れば探らせるんだが、あいつらには拠点防衛に専念してもらっている。今は動かせない。


(ああ、酒飲みたいな)

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