132. 旅立ち
遠征前日。俺はいつも通りの生活を送っていた。双子とパトリシア、ティナと一緒に食事をした。酒も遠征中はそれほど飲めないだろうから、今の内にたくさん飲んでおいた。
「じゃあ、俺は仕事に行ってくる」
「パパ行ってらっしゃい!」
「行ってらっしゃい!」
「早く帰ってきてね!」
「留守は任せておけ」
パトリシアはなんとなく事情が分かっているようだった。任せて大丈夫だろう。俺は集合場所へと急いだ。
「お待たせ。行こうか」
「アリスちゃんとステラちゃんにお別れしてきた?」
「いや、してない。俺は生きて帰るかな」
「ふ~ん」
(カッコつけたけど、大丈夫かな。…生きて帰って酒飲みたいな)
そして俺達は順調に進軍していった。
「そこに地雷がある。ソフィー」
「は、はい」
ソフィーが魔法で地雷を爆発させる。その間に魔力感知に反応があった。
「皆、魔物だ数分後に接敵する。準備を」
「は~い」
アリアネルのやる気の無い返事を聞いて、皆が戦闘の準備を始める。連携の取れた良い動きであっさりと魔物を討伐した。
「う~ん」
「どうしたの?」
「このパーティに俺って必要か?」
「何言ってんだ?お前の索敵が無ければもっと苦戦していたぞ」
イアンが不思議な顔をしながら言ってくる。他の皆も頷いて同意してくる。
(まあ、楽できるならいいか)
「ルークがリーダーみたいだよね」
「そうだな。良ければこのパーティーのリーダーになってくれないか?」
「まあ、良いけど」
アリアネルとリチャードの意見で俺はこのパーティーのリーダーになってしまった。また責任ある立場になってしまった。
「じゃあ、そんなリーダーから一つ忠告だ。俺達は敵に監視されている」
「え?どこ?」
「分からないが、時折視線を感じる。それにこちらの戦力を測るために相手は戦力をぶつけてきている。確実に探られている」
「…気が付かなかった」
「あまり奥の手は使わないように、手の内は隠しておけ。それから飛び道具には常に警戒しておけよ」
「分かったよ」
俺達は出発時から監視されている。かなりの腕だ。探ろうとしてもどこに居るのか分からない。攻撃を仕掛けてくる素振りは全くないから、暫くは泳がせている。後々は対処しなければならないだろう。しかし、対処する良い方法は見つけていない。こんな時に密偵達が居れば探らせるんだが、あいつらには拠点防衛に専念してもらっている。今は動かせない。
(ああ、酒飲みたいな)




