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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第一章
13/223

13. 神殿

 翌日、朝食を食べた後、母が兄を学園に送っていった。

 その間、俺は姉と一緒に寮で留守番する。王都の神殿はどんな場所か、などと話しながら母を待つ。

 しばらく経った後、母が戻って来た。


「じゃあ行きましょうか」


 神殿までは少し距離があるらしく、途中で昼食を食べていくらしい。


「何か食べたいものはある?」

「う~ん、何でもいいかな。ルークは?」


 姉に問われて考える。


「あれ食べてみたい!」


 露店で販売されている見たことの無い串に刺さった食べ物を指さす。聞いた所によると王都の名物らしい。三本買って近くのベンチに座って食べる。小麦粉を焼いたものにソースのようなものをかけ、串に刺した物みたいだ。おいしいけど量が足りない。


「もう一本食べたい!」


 みんなでお代わりしてから当初の目的地に向かう。

 しばらく歩いていると白い巨大な建物が見えてきた。大きすぎて驚いた。中は見学自由らしいので三人で中に入ってみる。

 大聖堂と呼ばれている場所に入った途端、厳かな気持ちになった。


「綺麗…」


 思わず声に出てしまった。横に大きなガラスの窓があり、日の光が差し込んでいる。光源がそれだけのせいか、ほんの少し暗いがそれもまたいい雰囲気を出している。前世で見たイラストのような神殿の光景にテンションが上がっていく。


 見学自由ということもあり、俺たちの他にもたくさんの人がいる。

 見入っていた時、ふと後ろが騒がしくなってきた。振り返ったら白い法衣の様なもの着たおじいちゃんが入ってくる。自然とみんなが道を開ける。俺達も空気を読んで同じように道を開ける。おじいちゃんは堂々と、開けられた道を歩いてくる。


 ふと、おじいちゃんから何か黒いモヤモヤが漂っているように見える。おじいちゃんから正面にどんどんと伸びていっている。気になって目線で伸びていく先を見る。


(どこに続いているんだろう)


 正面の壁の裏側に続いているように見える。


(てことは神殿の裏側に何かあるのだろうか)


 そんなことを考えているとふと正面に気配を感じ目線を戻す。するとおじいちゃんがこちらをジッと見て止まっていた。


(嫌な予感がする)


 母がこちらに駆け寄ってこようとしたその瞬間、おじいちゃんが口を開いた。


「この子には魔法の才能がある。すぐにでも魔法を教えてあげなさい」

「…えーっと…」


 それだけ言うと再び歩き出した。母は礼を言いながら頭を下げてるし、姉はなぜか堂々と胸を張っている。なにが起こったのか分からないのは俺だけなようだ。後で母に聞いてみよう。

 おじいちゃんは何事もなかったかのように最前まで行き、膝を突いて何かを語りだした。周りも同じように膝を突き始めたので、見よう見まねで真似をする。


 これはいつ終わるんだろう。

 ふと、口の中で昼間に食べたソースの味がする。


(友達がしょっぱいものを食べるとタバコ吸いたくなるって言ってたけど、俺は酒が飲みたくなるな…)

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