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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第四章
118/223

118. 撤去マシーン

 正直、何とも言えない気持ちになっていた。俺は罪を償い終わって自由の身だったらしい。そこで思う。ここで盲目的に指示に従うのではなくて、少しくらい楽をしても良いのではないかと。


「マシュー様、お言葉ですが私が一度行っただけでは地雷の件は解決しないと思います」

「ではお主には他に解決策があるとでも?」

「ええ、少し時間は掛かるかもしれませんが、地雷を発見する装置を開発中ですので、それを各部隊にも提供するのが一番良いかと」

「なるほど、どれくらいかかる?」

「一月あれば可能かと、ただ人手が足りないので何とも」


 実際はもう第二部隊用に開発、導入、運用は完了している。後は量産してノウハウも提供するだけの状態なので一月もかからない。俺は楽をする為に長くも短すぎる事も無い時間を提示する。


「人手か、それはこちらからも提供は出来ない。二月でやってくれ」

「はっ!」


 話が分かる上司で良かったと思う。俺は敬礼してから部屋を出る。


 今回魔族軍が使用した地雷にはある欠陥があった。それは起動の原理だ。中央下部からはめ込まれた魔石に火の魔法が込められていて、中央上部にはめ込まれた魔石が魔力を吸い込む事で魔法が発動して、周囲の火薬に引火し大爆発を引き起こしている。問題は中央上部にはめ込まれた魔力を吸い込む魔石だ。これは常時周囲の魔力を微量だが吸収している。要は人が踏んでその人の魔力が吸われる事で起動する物が空気中の魔力を吸収する事で数年経つと何もせずとも爆発する。

 俺はこの性質を利用して地雷を発見する装置を作った。魔石からごく微量の魔力を放出するようにして周囲に放出する。殆どの魔力は減衰して更に微量にはなるが地雷がある場所を除いて反射して戻ってくる。反射して戻ってこなかった箇所を方位磁針で示し、距離を魔石の点滅速度で知らせるコンパスを作成した。それを密偵部隊に渡して発見し次第、報告と破壊を指示している。

 その結果、我が部隊では地雷による被害は皆無となっている。


「ただいま~」

「あれ?パパ、今日は早いね!」

「ああちょっとやらなきゃいけない事があってな」


 俺は家に帰ってさっそく作業を開始する。指示された五十個のコンパスの作成をする。作業自体は四日で完了したが、部隊の皆には二月の間、総司令部からの指示で魔導具を作る事になった、緊急時以外は連絡してくるなと言ってあるので、後は実質休暇だ。暫くは家に居ると言うと双子は物凄く笑顔になった。天使の笑顔だった。


(酒飲みながらのんびり過ごすぞ)

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