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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第四章
113/223

113. 近況④

 家に着くと明かりが付いていた。双子は寝ているはずなので不審に思いながら家に入る。


「「パパ~!」」

「あれ、まだ起きていたのか?」

「パパ待ってた!」

「おかえりパパ!」


 可愛い天使二人に出迎えられて思わず頬が緩む。二人は今年でもう八歳になる。子供の成長は早いもので再来年には学園に入学する事になる。


「ありがとな、でも今日はもう遅いから寝なさい」

「「は~い」」


 双子はどたどたと足音を立てながら寝室に向かって行く。


(さて、風呂に入って酒飲むか)




 翌日、俺は近くの村に向かった。結論から言うと俺はここの農民を全員雇っていた。補給されてくる物資の食料は何年も耐えられる味をしていないし、種類は無い。そこで俺は農民を雇って野菜や穀物を作らせたり、余裕が出てきた時には酪農もやらせていた。物資の費用を削減した分のお金を払っているだけだが、農民たちからすれば、いつもの作業をしているだけで倍のお金を稼げるようになったとかで、非常に感謝されている。


「ルーク様!」

「今月の食料を貰いに来た」

「あちらに用意できています」

「お前ら!手分けして運んでおけ!」

「「はっ!」」


 部下達が元気よく返事をして、少しぎこちなくではあるが、食料を運び始めた。


「村長、いつもありがとな」

「いえいえ、こちらこそお金を貰っているのにその上、守って頂いているので日々感謝しています」

「そんな止めてくれ、俺は俺の利益の為に動いているだけだ」

「ではそうしておきましょう」


 その後も今年の作物の出来や新たに作り始めた野菜の話を聞いていると部下達は荷車に食料を詰め込み終えたようだ。


「じゃあ、約束の金だ」

「確かに。丁度頂きました」


 そんな感じで軽い領地改革や新たな技術の研究で四年間はあっという間に過ぎていった。



 その日、家に帰ると双子は人形と模擬戦をしていた。最初の頃と比べると上達はしているが、まだまだ伸びしろはある。アリスには剣術の才能があるみたいだが、ステラには秀でた剣の才能は無い。代わりにステラは魔法に秀でた才能があった。アリスが前衛、ステラが後衛のパーティーなら将来王国有数の冒険者になる事は間違いないだろう。


(贔屓目に見てもそう思う)


「お~い、帰ったぞ!」

「「パパ!」」


 二人が駆け寄ってくるのを受け止める。そのまま勢いで二人を抱きしめる。


「どうしたの?」

「いいや、二人が無事で良かったなって」

「ふ~ん、変なの」

「そんな事より夕飯にしよう」

「「は~い」」


 守れなかった者は多いが、この二人だけは絶対に守ると、そう心に決めていた。


(さて、酒飲むか)

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