109. キャロリンの苦悩⑧
私が追い付いた時には大体が終わっていた。状況から何が起きたのか想像は出来た。
私は牢の前でルークに向かって今までどんな準備をしてきて、どう追い詰めようとしていたのか説教気味に聞かせる
「で、申し開きは何かあるかしら」
「…すまない、軽率だった」
彼は反省した様子で謝ってくる。少し溜飲が下がった事で私は、これからどう動くかを考える。
「後は私に任せて。良い?大人しくしてるのよ?そこでしばらく反省してるの。分かったら返事!」
「はい…」
これだけ言えば彼は大人しくしているだろう。私は急いで屋敷に戻り、密偵の一人と連絡を取る。
「このリストにある人物を一斉に捕らえなさい。一部証拠が無い人物も居るから捕らえた後は屋敷内を捜索して、何でもいいから不正の証拠を掴みなさい」
「はっ!」
密偵は元気よく返事をするとそのまま姿を消した。それを確認して私は父の書斎へと向かった。今の時間ならまだ仕事をしているはずだ。
部屋に着くと私はノックをしてから声を掛ける。
「キャロリンです。入ってもよろしいでしょうか?」
「…入れ!」
父の返事を聞いて私は部屋に入る。父の傍に執事が居たので私は一瞬彼を見てにっこりと笑う。
「しばらく席を外していてくれ」
「畏まりました」
執事は礼をしてから部屋を出ていった。
「ついに動くのか」
「お父様には全てお見通しみたいですね」
「…全く誰に似たのか、正義感が強すぎる」
「見た目はお母様、中身はお父様によく似ていると言われます」
私は少し笑いながら冗談を言う。
「それで、もう行動してしまったのですが、宜しいですか?」
「…ああ、好きにしろ」
「ありがとうごさいます」
私は礼をして書斎を出た。
(はぁ~緊張した。お父様の顔はちょっと怖いのよ)
その後は順調に腐敗した貴族や商人達を捕えていった。教会関係者も多くを捕える事に成功した。もちろん神殿長も。
(我ながら自分の密偵が優秀すぎて怖いわ)
この情勢下で大量の逮捕者が出た為、国内は危機的な人手不足に陥った。そこで私はある提案をする。
「では、ルークに兵役を課して最前線に送って時間稼ぎをしましょう。その間に国内の問題を片づけるのはどうでしょうか?」
最終的にここに持ってきたかったのだが、順調すぎて何か見落としがありそうで、日々書類とにらめっこしていた。
数週間後、ルークに罪に対する罰則が兵役という形で言い渡された。彼は大人しくそれに従っているという。
「これ以上は問題起こされると流石に庇えなくなるわ」
「ああ、分かっている。ありがとうな」
出発前のルークに嫌味を言ってストレス発散をする。前線を維持している間に国内の情勢を安定させないといけない。まだまだやる事はたくさんある。
(あ~家に帰ってのんびりしたい)
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