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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第一章
10/223

10. 三年

 異世界に転生してから三年と数週間が経った。

 この三年間でいろいろ成長した。歩けるようになり、喋れるようにもなった。毎日家の中や庭を走り回っている。今日もいつものように遊んでもらう為に朝食後に兄に話しかける。


「ニーチェ兄さん!今日は何して遊ぶ?」

「あー、ルークごめんな。今日は学園に行く準備をしないといけないんだ」


 ここ、タクステディア王国では貴族の子供は十歳になると王都の学園に通うことになる。六年間通い、卒業することで、貴族と認められるようになる。学校などの教育機関は他にもあるが、貴族になるためには王都にある学園、王立レノース学園を卒業する必要がある。ただ、卒業すれば誰でも貴族になれるわけではない。学費が高いのでそんな人は滅多に居ないが、最近では試験さえ合格すれば平民でも通うことはできる。


「リラ姉さんは?」

「ごめんね、私も今日は勉強しなきゃいけないから遊んであげられないの…」


 我が家はとても裕福なのか、家庭教師を雇っている。今日は彼らが来る日なのだろう。


「分かった…お庭で遊んでくる…」


 怪しまれない為に子供らしく振舞っているだけで、特に悲しいなどと感じないが、悲しそうな顔をして言い、そのまま走って庭に向かう。


(さて、今日は何しようか…)


 ものすごい広い庭を見渡す。

 三年間で魔力操作についてもかなり上達した。ぬいぐるみの操作は難なく出来る。夜中に試したが、絨毯に魔力を纏わせ、その上に乗ったまま浮かす事も出来るようになっていた。いつかこっそり抜け出して、空を飛んでみたいと思っている。

 それから、生存率を少しでも上げるために高速で移動する方法を身に着けた。足の裏に魔力を移動、圧縮して一気に放出することで高速移動が出来るようになっていた。制御はまだまだ難しい、目が移動の速度に慣れていないのが大きい。なので、今日みたいに一人で遊ぶときにこっそりと練習している。


(さてと…)


 周りに人がいないことを確認して足の裏に圧縮した魔力移動する。少量ずつ放出し、ホバー走行のように移動する。いつか森にこっそり探検しに行こうと考えているが、野生の動物や魔物に遭遇した時にこれで逃げようと思っている。移動速度を徐々に上げていく。今日は調子が良さそうだ。


(少しだけ森に行ってみるか)


 周りに人がいないことを再び確認して森の中に入っていく。


(昼間だから明るいが、夜だと周りが見えなさそうだな)


 夜中にこっそり来るのは止めようと思いながら、奥に進む。今日はそんなに奥に進むつもりはないので、切りの良さそうな所で引き返そうとする。


(ん?)


 左側に生き物の影と気配を感じる。魔物だろうか。こちらのことはまだ気付かれていない。そっと後ろを向きホバー走行で全力で森を抜ける。


(…ふー)


 そのまま部屋まで戻ってきてベッドにダイブする。寝っ転がりながら考える。魔力操作には自信はあるが、戦う術がないので逃げられる事が確認できただけでも、今日は十分な成果と言える。


(全力で走ったから少し疲れたな)


 そっと目を閉じ。そのまま眠る。


(ああ、酒が飲みたい)

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