1. プロローグ
仕事終わり、最寄り駅の近くのコンビニに入る。
(今日は何を食べよう…)
飲む酒は決まっている、毎日食べ物を何にするかで迷う。
しばらく悩んだ末、パスタとストロング系チューハイ(500ml)を手に取りレジに並ぶ。お酒を無人レジで買えないのは不便だなと思う。
「袋お願いします」
「温めますか?」
「お願いします」
店員がパスタをレジに通し、後ろにある電子レンジに入れる。
「ポイントカードはお持ちですか?」
「持ってないです」
スマホのアプリを起動するのが面倒くさくて、持ってないことにする。
「年齢確認ボタン、タッチをお願いします」
画面に表示されたボタンに触れる。
「袋ご一緒でよろしいですか?」
「これは手で持っていきます。」
ストロング系チューハイを手に取る。
会計を済ませ、パスタが温まるまでレジから少し離れたところに移動する。今日は後ろに人が並んでいないので、移動する意味はないが、いつもの癖で移動する。
「温めお待ちのお客様」
店員に呼ばれ、商品を受け取りコンビニを出る。コンビニを出た瞬間、缶を開ける。飲みながら歩く。家に着く頃には中身が半分ほどになっていた。椅子に座り、スマホで動画を見ながら、残りの酒、パスタを食べる。あとは風呂に入って、歯を磨き、寝るだけ。いつも通りの毎日。
社会人になってすぐだったと思う。夜眠れなくなったのは。そこから毎日酒を飲むようになった。酒を飲めば、すぐに眠りにつける。
四年間毎日続けた。体調の悪日も飲んでいた。むしろ飲むことで今の体調の良し悪しがわかるようになっていた。別に酒が好きなわけではない、むしろまずいと思う。ただ眠るためだけに飲んでいた。その結果、今では飲まないと眠れなくなってしまった。
健康診断の肝臓の数値が年々悪くなっていたりするが、なぜかやめようとは思わなかった。翌日の仕事の為に眠りたい一心で続けていた。
歯を磨き終わり、その日は眠りにつく。