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ハイペリオン戦記  作者: 松本 ゆうき
第10章 妖精の国
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第72話 遺物

 レオは小高い丘の上から、戦場を眺めていた。

 この場所からは、戦場全体が見回せる。クイーン・ハイペリオンの位置も、ブロデア軍の動きも手に取るように分かる。


 レオの部隊には第二世代のメックが5騎配備されていたが、そのいずれもが巨大な砲身を抱えるように持っていた。

 通常の兵器ではメックを傷付けることはできず、スラヴァーによるメック戦のみが有効な戦い方だが、エルフェン共和国ではかつて対メック用射撃兵器が構想されていた。

 銃の誕生が剣による近接戦を終わらせたように、メック戦においても遠距離攻撃が戦果をあげるはず、という思想の元、メックの装甲を破壊できる兵器を開発した。砲身は長く、弾頭は大きく、発射の火薬も工夫をこらしたものの、500ミリまで大きくしてもメックを破壊することはできなかった。結局、対メック用射撃兵器は中止とされたが、テスト用に作られた弾丸ばかりが余ってしまい、軍の倉庫を圧迫していた。これらの兵器開発に時間を使ってしまったため、エルフェンのメック開発は他国に差を付けられることとなった。

 対メック用射撃兵器はメックを撃破することはできず、その衝撃力でバランスを崩す程度の威力しかなかったが、レオはこの弾丸を再利用することにした。

 レニを逃がすために、メックを足止めする。そのために、倉庫で眠っていた弾丸をひっぱり出した。

 500ミリの砲弾を受けて、一部隊の動きが停止している。

 もう一方から迫っていた部隊へも、別の場所から同様の射撃が行われ、ブロデア軍の侵攻は止まっている。


「どうせ倉庫で眠ってた弾だ。ここで撃ちまくっておけ!」

 部隊に指示を出す。

 ブロデアに奪われるくらいなら、使い切ったほうがいい。

 レオのメックも砲身を抱えると、射撃を開始した。

 発射時の衝撃はすさまじく、臓腑がシェイクされるような感じさえする。

 加熱した砲身を取り換えて、立て続けに撃つ。倒れているブロデアのメックに追い打ちをかけるように命中した。

 一部のメックは弾体の動きを見切ってスラヴァーで防ごうとするが、それでも衝撃を消せるわけではなく、体勢崩していた。


 これで通常のメックであれば、対処することができるということは分かった。

 弾丸が当たりさえすれば、メックを足止めすることができる。第三世代メックになったことで軽量化した結果、吹き飛びやすくなっている。第三世代の性能をもってしても、高速で飛来する複数の弾丸を避けられない。

 ――普通のメックなら、これでいい。


 問題は、普通ではないメック、カミラ・ローゼンハイムの真紅のメックだ。

「目標をローゼンハイムのメックへ!」

 部隊の砲身が、一斉にケーニギンへ向くと、立て続けに火を噴いた。

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