第55話 【幕間】ヴリル革命とは
[ジュリアン・バロウズ 『人類を変えた10の革命』より抜粋]
人類の歴史において、幾度かの技術革新が起こっている。数字の発明、文字の発明、農耕の始まり、蒸気機関の誕生……様々な革命があったが、もっとも世界を変えたのはヴリルの発見だ。
ヴリルは資源を精製して作られるエネルギーで、扱いこそ難しいものの、エネルギー効率は石油を遥かに上回る。
誕生から瞬く間に、ヴリルは人間の生活を変えた。列車はより多くの荷物を運べたし、大型客船は補給のために港による回数が減った。
なにより、メックという巨大兵器の誕生にも大きく貢献した。ガソリンエンジンでは到底動かせなかった兵器は、すぐに世界大戦で活躍した。
同時に、世界大戦を地獄へと変えてしまうものだったが、ヴリルを知った人類が新エネルギーを手放すことはなかった、
ヴリルエネルギーの欠点は2つある。
1つはすでに述べた「扱いが難しい」ということだ。
特にエネルギータンクやジェネレータを破壊されることで起こるヴリル爆発は、少量のヴリルでも大爆発を起こす。
実際、戦闘や事故によって多くのメックが破壊されて、ヴリル爆発があちこちで起こっていた。
現在でも大戦の影響により、大気中にもヴリルが漂っている。少なからず人体に影響があるとは思うが、今のところそういう医学的根拠は出ていないようだ。
2つ目の欠点は、ヴリルが非常に高価であるということだ。その値段ゆえに、広く普及することはなく、現在では軍のみがヴリルを保有しているといった状況だ。
ヴリリとは無限の可能性を秘めた物質であるものの、多くの研究者・知識人からは「ヴリルは人類を破壊する」と警告されている。
私自身も、ヴリルが導く未来は暗いものになるのではないか、を懸念している。




