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ハイペリオン戦記  作者: 松本 ゆうき
第3章 開戦
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第24話 【幕間】ハイペリオンの一族

[ヨハネス・セルチルナー著『ハイペリオンの血族』より抜粋]


 ハイペリオン王家は、史上もっとも名前の知られた王家であり、それは数々の歴史が証明している。

 この世の歴史は、ハイペリオン王家を中心に回ってきた、と言っても、なんら過言ではないのだ。


 歴史に初めてハイペリオンの名前が登場するのは、世界最大の帝国を築き上げた若き王が名乗り始めたときである。後に英雄王と呼ばれる彼がその時に口にした「余はハイペリオンである」という言葉は、帝国の勢いと、若き王の強烈な自信を表している。

 東の国には「盛者必衰」という言葉があるというが、英雄王が築いた帝国は、王が亡くなると内乱が勃発し、国は分裂する。国が分かれたことで軍事力の弱まった国は他国の侵略により、次々に滅び、一度ハイペリオンの名前は歴史の表舞台から姿を消した。


 しかし、ハイペリオンは滅びたわけではなかった。目立たずひっそりと、だが確実に血族は生き延びていた。

 ある者は田畑を耕して一生を終えた。またある者は力のあるデュナミスの元へ嫁いで血族を残そうとした。そうした努力の成果が報われる日は長い長い時間を必要としたのである。


 その後、ハイペリオンは再び巨大な王国を築く。ただし自発的にではなく、国王に担ぎ上げられたのだ。今で言うブロデア帝国からレディスト王国の辺りが領土となり、聖ハイペリオン王国は誕生するのである。

 この時のハイペリオンの血族は争いを好まず、調和を愛する一族になっていたが、多くの者が望んだハイペリオン像とは異なっていた。彼らにとってハイペリオンとは、他国を駆逐して繁栄をもたらす存在でなくてはならなかった。


 折しも時代は血を欲しており、それは革命という形となって結実した。1789年、聖ハイペリオン国王を初めとする一族は皆、断頭台の露と消えた。一説には、革命はハイペリオンの強大な力を恐れたために起こったとも言われ、周辺国の陰謀であったとも噂される。


 だが、王家に関わらず、一族の血を完全に絶つのは困難である。


 ハイペリオン王家の生き残りが見つかった。

 フランツとその妻ソフィーである。

 強大なハイペリオンの血族の生き残りを見つけた愚かな者たちは、2人を暗殺したのである。それが先の大戦の引き金となったのは、争いを好まなかったハイペリオン王家の呪いであろうか。


 今後も、ハイペリオンの末裔が現れるかもしれない。私は、その時に各国の指導者が再び愚かな選択をしないことを祈るばかりである。

 ハイペリオン王家のことを調べていくと、信憑性の有る無しは別として、様々な「伝説」を見聞きする。

 その中で、1つ気になる言葉がある。

「誰もハイペリオンに触れることはできない」

 それが何を意味しているのか分からない。神聖な存在であるが故の言葉なのか、ハイペリオンの一族だけが持つ特殊能力に由来するものなのか、今の段階では調べようがない。


 もしハイペリオンの生き残りが現れたとしたら、その時「誰もハイペリオンに触れることはできない」の意味が明らかになるのだろうか。

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