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ゲーム制作会社の人たち。

風物詩だった件。その2

作者: 青柳

四本目。

続きです。たかしー視点です。良ければ見てやってください。

朝、愛犬達の物理的な圧により、起床。

いつも通りの一日の始まりだったはず。


そう、出勤するまでは。

勤続年数=肩書きが重い今日この頃。何故かたかしーと呼ばれています、俺、高階柊と申しますが‥年に数回ある風物詩を忘れていました。


「‥‥‥忘れてた、3月じゃんね」

パソコンを立ち上げて、問い合わせのページを開いて、会社のSNSを開いて、仕事の割り振りを考えないとなーとぼんやりしてたら、ユーザーから大量の通報がじゃんじゃかきてた。


「ん?どうした?たかしー」

出勤してきたサブリーダー、里見彩花、姐御とかあややとか呼ばれてる。俺ですか?サトミさんと呼んでますよ。


「なんかありました?」

サトミさんから遅れて出勤してきたデバッグメンバー中堅の沢野裕樹。さわのんとか呼ばれている。あだ名は全部前にいた女性上司の趣味。因みにいつぞやのサボテンもこの上司の趣味で、今は別部署にいる。


「恒例の春のBAN祭り開催致します」

そう言うと、2人以外の出勤してきたデバッグメンバー全員があぁ‥‥と、遠い目をしておりました。


「わー‥‥大盛況ねー、一体何人が垢BANになるのやら‥‥」

サトミさんが呆れたようななんとも言えない表情でパソコンを見ておりました。えぇ、わかる、わかりますよーその気持ち。


「今日、本田のまゆゆさんがフレックスの日だからシバくんフォローしないと‥‥」


「あ、まゆゆ遅いんだ」


「1時間だけね。割り振り頼んで良い?」


「はいよー」

軽くオッケーを貰って、一体何が起きたのか固まるシバくんに指示を出しに行く。


「シバくん、悪質ユーザーの通報結構来てるから、テンプレに答えてもらって?ユーザー特定するから」


「あ、りょーかいです」


「よろしくー、いつも通りサーバー担当に回してー」

これだけ言えばシバくんは怒涛のスピードで捌き始める。あれはきっとまだ気づいてない。

何かあれば、後はチャットで質問が飛んでくるからもういいや。


「きょんや、春のBAN祭り開催宣言。後よろしく」

ユーザー動向とかを注視するサーバー担当でもあるきょんこと、柳田恭介に伝えれば、きょんは驚いている。今週末からやる新ガチャの設定をしてるもんな。


「えっ!?」


「今月は何月でしょー?」


「‥‥3月、あぁ‥‥3月かぁ!くそぉ!」


「最優先でよろしく」


「あーりょーかい」

これから膨大なログの中から、ユーザーを特定しなきゃいけないきょんは肩を落としていた。


祭りはいつまで続くのか‥‥今回は短いと良いなぁ‥。

いつぞやは2人くらいのユーザーが一週間くらい入れ替わり立ち替わりで荒らしまくってくれたもんな。


後はSNSの監視強化しておかないと、毎回春休み、GW、夏休み、冬休み辺りで開催されるBAN祭り。そろそろ飽きてくれないだろうか‥‥いや、無理か、うちのゲーム、月額無料だもんなぁ‥‥あーあ、早く帰って愛犬達の散歩に行きたい。

今回の語り部:たかしー:毎朝愛犬3頭にベッドに乗られて息苦しい思いをしながら起床する人。


その他の人々

里見彩花:デバッグサブリーダー、たかしーの同期。

何故か部署問わず姐御と呼ばれたり、あややと呼ばれる人。

沢野裕樹:デバッグの中堅。里見、たかしーの後輩。植物を育てるのが苦手。

柳田恭介:運営担当。主にユーザー動向を注視するサーバーも担当。通称、きょん。

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