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第4話 大賢者の館

 大きな門の前で、持っていた石を捨てるとここまで案内してくれた青い鳥は飛び去って行った。

 超高速で。

 途中、一瞬こちらを振り向いた気がしたけど……。

 

 さてと、インターホン……は、ないね。

 こういう大きな家って昔はどうやって家の中にいる人に来たことを伝えていたんだろ?

 門番?

 ……いない。詰所みたいな建物もないし。

 声、掛けてみようかな。

「ス、スミマセ~ン」

 声小っさ。

 ビビッて上手く声が出なかった。

 今度は思い切って大声でやってみる。周りに他に家なんてないし。

 ゴホン。

「すみませ~ん!!」

 こんなに大声を出したのは初めてだった……が、返事はない。

 もう一度。

「すみませ~ん!!どなたかいらっしゃいませんでしょうか~!!」

 応援団みたいにのけぞりながら叫んでみた……が、返事はない。

 辺りはもう夕方。マズメ時に入ろうとしていた。

 ……門を開けてみる。普段なら絶対しない。

 

 開いた。

 

 ……入る。

 石畳の道は左に曲がり、右に曲がり、正面の家に続いていた。

 イヤ、家ではなく館。大きな白い洋館がそこにあった。

 

 玄関の前の、長めの階段を登り扉の前に立つ。

 この両扉にそれぞれついてる輪っかがノックするやつだっけ?

 コンコン

 ……返事はない。

 今度は叩きながら呼びかけてみる。

「すみませ~ん!どなたかいらっしゃいませんでしょうか~!」

 少し大きめ。

 ……返事はない。

 ……開けてみる。


 開いた。


 不用心な!

 

 また館中に響くように声を掛けたが反応はなかった。

 ……入ってみた。

 扉を閉めて。

 後悔する。

 なぜ入った。ここは異世界、何が起きてもおかしくはない。命大事と誓ったのに。

 すぐ調子に乗る自分が嫌になる。

 恐る恐る扉を開けてみる。

 開いた!勝手に鍵がかかって閉じ込められるパターンではなかった。

 一安心。

 閉じ込められないことを確認できたのでもう一度入る。

 玄関ホールには高そうな赤い絨毯が敷かれ、正面には大きな両扉。その両脇に内曲がりの階段が備え付けられている。

 立派。ただただ立派。

 ただ薄暗い。もうそろそろ日没か。

 


 夜が明けた。

 一晩玄関ホールの片隅で過ごした。 

 夜の洋館を探索する勇気はなかったから。

 たまにホールを行ったり来たり。階段を登ったり下りたり座ったり。正面の両扉に耳をあてて聞き耳を立ててみたりしていたけど、幸いなことにポルターガイスト的なことは一切起きなかった。

 それでもほとんど寝れなかったけど。


 外に出てみる。

 

 ひんやり。

「良い空気」

 空気が綺麗でいかにも森の朝って感じ。心地良い。

「おはようございます」

「おはよう」


 ……誰っ!?



 

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