プロローグ1
以前投稿した「曖昧な予言のせいで巻き込まれた転生モブは何を目指せばよいのでしょう」の連載版です。無理やりまとめた感があって自分の中で書き足りなくてもやもやしてたので改めて連載版にしてますがほのぼの日常的な軽い転生もので短め連載の予定です。
少しだけ設定変えてる処もありますのでご了承ください。
たかだか16才?いやまだ15才だっけ?でこの色気ってなんなの?!
外身の13才の私の中の30代の私(但し恋愛経験値底辺)も心臓ドキドキになるのはその麗しい顔だけが原因じゃないよね。
「ふふ、フィーのそんな顔初めて見たかも。なんとなくずっと子供扱いされてる気はしてたけど、少しは男として意識して貰えたみたいで嬉しいね」
馬車の中に二人っきりで向かい合ってるセイの方があまり見られない。
そりゃあ三十路(中身)の私からしたら15才は子供に見えてたのは仕方ないし、逆に今世の私はまだ13才で子供過ぎて恋愛方面には疎かった。いやこの世界は結婚適齢期が二十歳前後だからそれは奥手過ぎなのかもしれないけど。
そう、ここまでのモノローグでお察しの通り私は転生者。と言ってもチートがある訳でもないし、前世の知識でこの世界にないものを生み出したり流行をつくったり出来るわけでもない。
しかもお約束の聖女でもなければ令嬢(悪役含む)でもない。いや、なかった、と言うべきなのか。
下町の食堂の3人姉妹の次女として生まれた私、ジョセフィーヌは火の魔力と氷の魔力っていう家業にとてもお役立ちな魔力の姉と妹に挟まれて、雷という家業どころか生活全般にまったく役に立たない魔力持ち。
その魔力が初めて顕現した時のショックで前世の記憶を取り戻したけど、なんと前世の私はお料理まったくダメダメなただの一般事務系会社員で、今世で結局これといって目立った活躍もなし。雷の魔力が電気に変換出来れば、と思ったりもしたけどこの世界にはそもそも電力の概念がないから家電もないし、私にもそういう知識はないしね。家電なんてスイッチつけて使うだけの人で仕組みなんて考えたこともなかったよ。
しかも近所でも評判の器量よしの母に似て看板娘な姉と妹と違い地味目な父親似の私が、何故にこんな美形の侯爵令息と二人で馬車に乗っているのか。それにはちょっとした理由がある。
「フィーってばさっきから一体なぜそんなに物思いに耽ってるのかな?」
いや近い!近いですから!さっきの流し目で半減したHPをこれ以上削らないでーー。と心で叫びつつ、これ以上の接近許すまじと両手を突き出したのに、肩のあたりを押し返すつもりだったその手を素早く取ってあろうことかその指先にキスを落とされる。
「今日のフィーはなんだか私の周りにいる女の子たちみたい。年相応の反応が新鮮で可愛らしいね。もっと大胆に迫っても、なんなら既成事実を…」
と言い出すセイの口を慌てて塞いでみた。あなたは乙女ゲーの攻略対象で18禁ゲーのキャラじゃないのよー!と叫び出したいけど、流石に貴族の令息に対してこの行動はまずい。不敬だと罰されても仕方がない行為だ。それに気づいて慌てて手を放して謝ろうとしたのに。
手にキスをねだってるの?なんてエロいこと言われては顔に上がって来た熱を下げる暇もない。
ウェルドリッジ家に行ってた2週間の間に一体セイに何があったのか…
確かにセイは元々優しいし私への対応もテウに比べれば全然紳士的だった。でもこんな色気は振りまいてなかったと思うの!
「今日のセイはなんか別人みたいなんだけど、何かあったの?」
「そういうフィーこそ随分雰囲気が変わった気がするけど、テウと何かあった?今日のダンスレッスンも今までになく息が合ってたよね」
「え?そうかな。多分それはテウが優しかったからかも。なんていうか思いやりが出てきた気がする」
ウェルドリッジ伯爵家の嫡子、テウことルティウス・ウェルドリッジは今相対してるウィステイン侯爵家の三男であるセイグリッド・ウィステインの幼馴染だ。
そしてフィーと呼ばれている私、ジョセフィーヌはこの二人の婚約者候補として両家で行儀見習い中のただの町娘である。なんで平民の私が貴族の令息の婚約者候補になっているかというと、雷の魔力で街を救った功績と両家の家訓?のようなもののせいである。何故こんなあやふやな表現をしてるかと言うとその家訓のようなモノの詳細を私は知らされてないからに他ならない。
ざっくり教えてもらった話では、ある条件を満たした男子の嫁には身分を問わず受け入れるべし、ってな感じの言い伝え的なものがどちらの家にもあるらしい。