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終わりの始まりは
こころのどこかに
…
高い山々に憧れて
すり抜けていく夢
険しい道々に惑い
天の瞬きを数える
悔し泣きはそこに
濁流と汚泥を残す
去りし日の過ちは
息苦しさをのこす
がんばっても無理
頼んでも頼っても
ひとりでやっても
ダメなものは駄目
価値がないものは
廃棄物になるだけ
連動する物々しさは
楽になれと囁き続け
繰り返し日々を送る
出鱈目の顔と一緒に
奇麗事を並べるのみ
無い物強請りと諦め
悪戯に微笑む疎外感
馨しい創造の世界が
一夜の夢を歌い続け
蹲る影を奮い立たせ
彷徨いの勇気を穿つ
豪快で繊細な虚像は
面倒くさげに微笑み
成し遂げる日を願う
寒々しい春の夜風に
賤しい笑い声が響く
咲き乱れる花たちも
宵闇月に影を落とし
鳴り物の喧騒に散る
雷鳴轟く雲の彼方に
濁流は龍と哭くのみ
禍々しい波に向かい
怠惰な夢の縒り糸は
命綱と帆を守り続け
継ぎ接ぎのこの心に
語り続け守り続ける
濁流の行く先はなく
還る場所は空へ続く
。