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48話 エレキ襲来




 ドオオオオオオオオオオオオオオオン!

 ギュイギュイギュイイイイイン!


 「だ、誰だ! 」


 唐突に、それこそ雷が落ちるが如し唐突さで、黄色い少女は現れた。


 黄色い髪をツインテールに結び、毛先はギザギザとしている。

 黄色と黒を基調としたぶかぶかのパーカーの装いは、彼女の雰囲気と相まって、雷を連想させる。


 「アタシぁ、なんとか序列10位、落雷(サンダーロール)のエレキ。痺れなッ! 」


 そう言うとエレキは指を天に掲げて決めポーズ。

 バックで激しい雷が落ちたのが偶然とは思えない。


 それよりも気になるのは『なんとか序列10位』と言う所。


 「なぁアンタ、何しに来たんだよ? 」


 「あぁ? その前にまず名乗れやボンクラァ!」


 アタシは名乗ったやろがいと鋭く睨み付けてくるエレキ。

 怖い。田舎のヤンキーみたい。


 「あっ、えっと、シュレイドっす……」


 「そぉか、んじゃ死ねやッ! 」


 刹那、エレキの指先から放たれる雷撃。

 俺は不良少女への恐怖で体が萎縮していて、雷撃をモロに食らってしまう。


 エレキは雷撃を食らった俺を見もせずに、道場の奥へと飛んで行った。


 「いちち……」


 痛いって事は俺の防御魔法を越えてダメージを与えたと言う事だ。

 つまり……エレキは強い!


 いやそうじゃなく、彼女が最初に言っていたなんとか序列は魔界序列で、その10位って事は———


 「とにかくセレーネ達が心配だな」


 正直相手にしたくないタイプの少女だが、仲間は守りたい。


 シュレイドはエレキを追う様に道場の奥へと飛んだ。




 ドオオオオオオオオオオオオオオオン!

 ギュイギュイギュイイイイイン!


 唐突に、それこそ雷が落ちるが如し唐突さで、黄色い少女は現れた。


 黄色い髪をツインテールに結び、毛先はギザギザとしている。

 黄色と黒を基調としたぶかぶかのパーカーの装いは、彼女の雰囲気と相まって、雷を連想させる。


 「アタシぁ、なんとか序列10位、落雷(サンダーロール)のエレキ。痺れなッ! 」


 そう言うとエレキは指を天に掲げて決めポーズ。

 バックで激しい雷が落ちたのが偶然とは思えない。




 ……

 「なぁそれ毎回やってんのか? 」


 シュレイドが背後から声を掛けると、驚異的なスピードでエレキは振り返った。


 「てめぇなんで生きてやがんだッ! くたばっとけやッ!」


 怒鳴り声が道場の一室に響く。

 不良を思わせる荒い言葉使いも、赤面した表情に打ち消されて怖くなかった。


 「『アタシぁ、なんとか序列10位、落雷(サンダーロール)のエレキ。痺れなッ! 』」


 俺は馬鹿にする調子でエレキの台詞を真似してやった。


 「くくっ、いや良いと思うぞ登場文句。俺もやってみようかな……」


 「るせェ! サンダーボルトッ!」


 即攻撃。

 しかし今回はビビって無いので平然と避けてやる。


 「なっ———」


 「で、なんだっけ? 登場文句だ!ちょっと思い付いたから聞いてくれよ!」


 「静撃雷ッ! 爆撃雷ッ!剣撃雷ッ!」


 キレに切れたエレキが四方八方から雷攻撃を放つ。


 シュレイドはそれを躱し、打ち消しながら話を続けた。


 「俺は魔王の力を継承せし者、絶対者殺しのシュレイドだ! ど、どう?」


 「聞いててアタシぁ名乗り上げ辞めようかと思ったよ」


 「そうか……」


 ギャグを思い切り滑らせた様な重苦しく沈んだ空気が道場に漂う。


 いつしか激しい雷攻撃は止み、沈黙だけが道場に満ちていた。


 「———あれ、エレキですです? 」


 リィリィが来た。

 まだ早朝という事もあってか、寝ぼけ眼を擦っている。


 「よォ、リィリィ。テメェがアタシから奪ったカースドパニッシャー、返して貰いに来たぜ」


 「ったく、どうやってワタシがここに居るって嗅ぎつけたんです? 」


 「あ? そんなもんゲルゲルの野郎にテメェが帰って来た事聞いてから魔界片っ端調べたに決まってんだろ。そんな事よりあの腕返しやがれッ!」


 「ゲルゲル……やはりあの時見つかってたですか……」


 指を顎に当てて考え込むリィリィ。

 対してエレキはもう我慢の限界とばかりに髪を逆立てていた。


 「なぁ、お前コイツから腕パクったの? 」


 「ええ、まあ……魔界の覇権争いは色々あるんですですよ」


 「いいから返しやがれッ! 」


 エレキが言っているカースドパニッシャー———勇者の腕は今セレーネにくっ付いている。

 易々と渡す訳にはいかねーな。


 俺が構えると、エレキは「やんのか? 」と睨んできた。


 「ヴォルカニックスピアっ! 」


 これが答えだと炎槍を放つ。

 世界を焦がしながら貫き進む炎槍は、エレキに当たったかに見えたが———

 

 「無駄ですです、エレキは魔界最速の女———狙いを付けて攻撃を当てるなんて不可能です! 」


 「攻撃が当たらないならどうしろと? 」


 「こうしてやるですっ! 第四放棄、完全審判<オールジャッジ>!」 


 リィリィの固有魔法が発動した。

 瞬間俺は膝を突く。

 体が……重い……


 辺りを見渡すと、エレキも倒れている。

 立っているのはリィリィだけだ。


 「超スピードには範囲攻撃。常識ですです」


 成る程……


 「二度も同じ手に掛かってやるかよッ! 」


 倒れていたエレキの身体が光となって拡散した!


 「自身の肉体を細かく分解して一つ単位の強さを落とした!? やるですですね」


 拡散した光はそれぞれがエレキの形になり、分身の術の様な絵面だ。


 「ああ、テメェなんざ指一本で倒せらぁ! 」


 「くっ、まずい……リィリィ固有魔法解け! 」


 額に汗を滲ませながらリィリィは答える。


 「それをしちゃうとエレキが身体を元に戻して、何かしらの超スピード高火力の技で先手取られて負けちゃうんですですよ……」


 「つまり、俺はこの重圧に耐えながら、エレキを何とかしないといけないって事か? 」


 「そう言う事です。出来るだけ早く逆転の一手を思い付いてくださいね、ワタシもエレキ指の雷攻撃何発耐えられるか分からないですですから」


 クソっ、俺が絶対逆転の策を思い付けるみたいに言いやがって……

 だがそこまで言われたからには考えなきゃならない。

 逆転の策を———

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