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45話 格




 「そろそろ本題に入っていいです?」


 せっかちなリィリィだった。


 「ああ、まぁ大体分かるよ。修行に来たんだろ? 」


 マナ師匠はなんでも分かるって顔をしてる。

 そんな師匠にリィリィは敵わないなぁと笑った。


 「免許皆伝はした筈なんだけどねぇ……」


 「それは師匠がワタシに匙投げただけですですよ! 」


 「いやぁアタシは頑張ったと思うよ? リィリィの魂の格でそこまで何とかなってるの、実際とんでもないことだし」


 「———っ、それはいいです。今日はワタシじゃなくシュレイドとセレーネを鍛えて欲しいのですです! 」


 ぷんすかと頭を突き上げるリィリィを横目に、マナ師匠はお茶を一気飲みした。

 そして———


 「セレーネちゃんはいいよ。でもシュレイド君を鍛えるのは無理かなぁ〜」


 なっ、


 「何故俺を鍛えるのは無理なんすか!? 」


 思わず聞き返す。

 俺は確かに強すぎるが、体術とか、まだ鍛えられる余地はある筈だ!


 「魂の格だよ」


 「? 」


 さっきも出てきたが、なんだそのワード。


 「魂の格———言うなればその"存在"の大きさみたいなものだよ」


 ?


 「まだ分からないって顔してるね、リィリィ、説明してあげたらどうだい? 」


 話を振られたリィリィは凄え嫌そうな顔をした。


 「その説明をワタシにさせるのはあんまりに悪趣味ですです……」


 「説明はいっぺんにした方が楽だからさ。リィリィの事だ、まだ彼らに話してないんだろう? 」


 「ちっ、何もかもお見通しって訳ですですか……」


 指を噛む彼女の姿を見ていると、その姿も相まって、子供に酷な事を強いている様で気が引けた。


 「リィリィ、なんだかよくわかんねーけどさ、言いたくないなら言わなくてもいいぞ。俺が鍛えられないことの理由は納得できないけど、セレーネが鍛えられるならそれで十分だし! 」


 「シュレイドさん……」


 涙目のリィリィに上目遣いでこちらを見られた。

 やめろ……不覚にもドキっとしちゃうだろ、今ちょっとカッコ付けてたんだから。


 「いえ、別にそんな気にする事じゃねーです。言います、さっさと言いますからその間だけこっち見ないでくれたら……それだけでいいですです」


 今度は俯いてそんな事を言う。

 硬く握った拳に覚悟を見たので、これ以上優しい言葉を投げるのは無粋だろうと俺は引き下がった。


 「魂の格、それはその存在が持てる力の大きさの限界ですです、それ以外の要素もあるですけど、今は関係無いので割愛」


 ゲームで言うレベル上限みたいなものか、


 「格を超える力は持てない……というかそんな限界まで力を持つ事は世界に数人とかなんですけど、仮に、格を超える力を持つと、魂に亀裂が入ってバラバラになったり、何かしらの絶対者に警戒されて消されるです」


 「で、リィリィのこの表情から分かる様に、リィリィは魂の格の上限ギリギリまで力を付けちゃった訳です! それと同じ理由で魂の格の限界ギリギリまで強いシュレイド君も鍛えられないって訳、OK?」


 急に割り込んできたマナ師匠が話を畳む。

 リィリィから最後の説明を掻っ攫ったのは、まぁ彼女なりの優しさなんだろう。


 リィリィの深刻な表情を見れば嘘じゃないと分かるし、納得できる。


 その効果を残した上で、リィリィの心労も出来るだけケヤする。


 マナ師匠、彼女の強さを再認識した。


 まずあり得ないが、もし戦う事になってもヴォルカニックスピア一発だろうとか考えてたけどそうじゃなかった。


 「……」


 唾を飲む。ゴクリ。

 それで意識を切り替えて反省完了!


 一応話について行くためにさっきの説明を整理しとくか……


 レベル上限に行くと死ぬ! もしくは絶対者に殺される!

 俺とリィリィはレベル上限近いから鍛えられない!


 ってな感じか。


 で、俺が転生した時ソウルテイカーは『魂を移す』とか言ってたし、まずもって俺は俺なので、俺の魂は俺だ。


 そんで俺の強さは転生前の経験+転生後の経験+魔王スキル=のレベルだろう。

 多分魔王スキルで一気にレベル上限近くまで行っちゃったんだろう。容量をやたら食うアプリみたいに。


 魔王スキルはめちゃ強だからそれでいい。

 だがリィリィは?

 直接的戦闘力が無い彼女。

 何かに対抗する手段など固有魔法ぐらいのものだ。


 俺にだって魔王スキルを継承できる程の容量があったのに、リィリィはそれだけで容量を使い切ったのか……?


 「お察しの通りですですよ」


 「わっ、急に声掛けんなよ! 」


 「いや、考えるぞーって顔して、もしかしてーって顔になってたですから」


 「そう? 」


 「後でトランプやりましょ、ポーカーフェイスのぷの字も無かったですですから……」


 たはは……


 パン!

 リィリィが手を叩いて切り替える。


 「ワタシの魂の格、めちゃくちゃしょぼいんですですよ、もうミジンコ並」


 頬に手を突き、嘆息を溢しながらリィリィの告白は続く。


 「ここまでの姿形になるにも相当無理してて、その上『重圧』なんて最強でカッコよくて素敵な固有魔法に目覚めちゃったもんだから、ミジンコソウル、もういっぱいいっぱいなんですよ」


 最後に「まっ、やれるとこまでやるつもりですけどねっ! 」と笑う辺り、リィリィは強かった。

 ソウルテイカーのトピック


 我、魂の格とか全然知らん。怖……

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