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1話 異世界転生したならば


 まず目に入ったのは中世的と言うか、RPGやらゲームやらでよく見るあの街並みだった。中世ヨーロッパみたいな。レンガ作りとかが目立つやつ。


 本当に転生したんだなぁとか感慨に浸ってしまう。


 少しクラクラする頭を揺すると、転生特典の魔王スキルによって使える様になった数々の魔法が頭に浮かぶ、どれも強そうだ。


 どれ、取り敢えずこの『瞬間防御』の魔法でも使っとくか。


 瞬間防御、大量の魔力を瞬間的に固める事で一瞬だけ当人の実力以上の防御力を出す———言うなればジャストガードの魔法だ。


 ただ一瞬の効果の為に大規模魔術並みの魔力を消費するので、非常に 魔力効率(コストパフォーマンス)が悪く実用的ではないとされていたが、無限の魔力を持つシュレイドには無問題。


 常時ジャストガード状態の完成だった。


 「せっかく異世界転生したってのに、スナイプとかで死んだら勿体ねぇからな」


 シュレイドは昔、某FPSゲームでスナイパーに狙撃されまくったトラウマがある。

 それ以来シュレイドは無意識に狙撃に対して警戒を取るようになったのだ。




 さて、異世界に転生したならば、先ずは冒険者ギルドに行くのが通例だろう。


 「という訳で爺さん、この街の冒険者ギルドの場所を教えて下さい! 」


 「何がというわけでなのか分からんが、この街のギルドはあっちじゃよ、街の南にももう一つあるが、そっちは遠いからのう…… 」


 親切な爺さんに感謝だ、早速あっちに行こう。

 道中、民家の窓ガラスに写った自分の姿に目が止まった。


 「本当にシュレイドの見た目になってるなんてな…… 」


 銀色の髪は肩に掛からないぐらいの長さでサラサラとしていて、紅い瞳は俺の目付きを残しながらも爛々と輝いていた。

 服装は黒を主体に蒼いラインが入ったロングコート、ラインが1680万色に輝いたらゲーミングPC風だっただろうなとか考えた。




 冒険者ギルドに着いた。木造で二階建て、近所にあったファミレスより一回り大きいぐらいの大きさ。目の前の扉は木造ながらも分厚く、厳つい魅力があった。


 「……っ」


 扉に手を掛けると意外と重く、筋力強化の魔法を使った。

 まさか記念すべき初魔法がこんな形になるとは……


せいっ! と力を入れると、信じられないぐらい扉が軽い感触だったのでめちゃくちゃ激しく扉を開いてしまった。


 「な、なんだ!? 」「道場破り!? 」


 冒険者ギルド内の荒くれが声を上げる。

 やっべ……


 「あっ、いえ違います! すいません、扉が思いの外軽くって……」


 「嘘だろ兄ちゃん、あの扉俺でも開けるのめちゃくちゃキツいのに……」


 筋骨隆々の荒くれがそう言うのだから相当重いんだろう。冷静に考えて不便だ。


 「最近は職員も裏口を使ってるんですよね〜」

 「嘘だろ受付さん!? 俺教えて貰ってねーぜ! 」


 哀れな荒くれだ……


 「あははは」


 そう笑って荒くれを誤魔化すと、受付さんは俺に声を掛けた。


 「見たところ冒険者ギルドは初めてですよね? 冒険者登録ってされてますか?」


 慣れた対応に俺は「あっ、いえ……」としか言えない。


 「じゃあささっと登録しちゃいますね。こちらへどうぞ〜」


 案内されるままカウンターへ。

 そして目の前に水晶が置かれる。


 「これは魔力を測定する魔道具。手を翳してもらえればその人がどれくらいの魔力を持っているか分かるんですよ。手を翳してみて下さい」


 異世界転生あるあるのアレだ。アニメとかで見た展開に嫌でもテンションが上がる。


 「か、翳せばいいんですよね? やっていいですか?」


 「どうぞ」と若干引き気味に促されたので右手を翳す。すると水晶が2、3回点滅して———


 「あっ」


 バリィイイイイイン!


 水晶が爆発した。


 おお! やっぱこれだよこれ! などと言っている場合ではない。俺は物理防御魔法のお陰で無傷だが、爆発をもろに受けたカウンターは原型を留めていない。


 受付さんはカウンターの後ろに立てかけてあった盾で咄嗟に身を守っていたようで無事だった。

 盾はぐちゃぐちゃだけど……


 「やっちゃった……」

  やっちゃったよ……


 「ふ、ふふ。二度は食らわねーですよ、魔力測定水晶の爆発なんて……」


 「受付さん? 」


 「点滅が見えた時もしやと思って盾構えといて良かった……」


 「受付さん!? 」


 俺の声が届いてないのかこの人……


 「あれは私が初出勤の日———」




 受付さんが初出勤の日、冒険者登録に来た相手が後の勇者で、初日から魔力計測の魔道具の爆発を食らったと言う話をしてくれた。

 全治半年の大怪我を負ったのだとか。

 たまたま居合わせたプリーストの回復魔法が無ければ死んでいたのだとか……


 た、大変だなぁ……

と、丁度受付さんの話が終わった時だった。


 ドカァアアアアアアアアアアン!!!


 またもや爆発音! 今度の爆発は天井だった。


 「見つけたぞ、魔王の残骸っ! 」


 声が聞こえて0コンマ、もの凄い衝撃に襲われた。


 「うわああああああ」


 うわあああああああって時に人ってうわあああああああって言うんだな———


 ドォン! 冒険者ギルドからぶっ飛び、何処かの民家のにぶつかって止まった。


 「な、何だってんだ? 」


 幸い常時発動していた物理防御の魔法のお陰でダメージは無いが———


 「ぎゃーーー! 」


 瓦礫に混じって赤い塊が飛んでくる。


 「ぎゃふん」


 俺にぶつかって赤い塊は止まった。

 よく見ると蠢いている。

 人じゃん……


「お、おい! 大丈夫か?」


 赤い塊もとい赤いドレスを纏った金髪の女の肩を揺する。


 ……何か臭えな、何日も風呂入ってない奴みたいな匂いがする。

 生ゴミ……いや腐卵臭と言うか……


 金髪縦ロールの髪も枝毛だらけだし、高そうなドレスは泥だらけで所々破れていた。


 「うええええ、たっ、助けて下さいましぃ〜! 」


 「うっ、うわ臭え! 引っ付くな引っ付くな!」


 騒いでると、またギルドの方から何か飛んできた。肌色だ……腕?

 その腕には繋がっているべき胴体が無かった。


 ぎゅむ

 その腕は俺の首を掴んだ! ぐっ、外れねぇ……


 「ひいいいい、どうなってるんですの!? 」


 「何だこれ怖え! ホラーじゃんもう……」


 二人の疑問に答えるように、ギルドの方から声が響く。


 「あらゆる邪悪を破壊する勇者の腕、カースドパニッシャーだ! 」


 格闘家風のコスチュームを身に纏った少年だった。


 「だっ、誰ですの? 」


 「勇者パーティーの格闘家、ドラオスだ! 魔王の残骸と……誰だ姉さん? まぁ魔王の味方ならお前も倒す!」


 とんでもない事を言うヤツだ。それにしても勇者パーティーの一員って、あの少年は相当な大物なんじゃなかろうか?

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