6 逃亡のアウローラ(2)
安い宿を取り、アウローラは、息子のシェルと宿で一服する。
やっとゆっくりできる。魔術で痛みを消したので足の痛みはないが、腫れが酷く血色も悪くなってきている。
「シェル、これからどうしましょう」
シェルをお風呂に入れて、自分もお風呂に入って、一度、すっきりさせる。
シェル様はまだ操れるかしら?ばばあが出しゃばったのなら、アウローラの魔術は、すべて消されているだろう。新しくシェル様に魔術をかけようとしたら、火花が散って人型が消えた。それならリリアンにかけようとしたが、やはり火花が散って魔術はかけられなかった。
「目障りなばばあだ」
そうか、ばばあに魔術をかけたらどうだろう。
アウローラは、長老に魔術をかけたが、火花が散って消えてなくなった。やはり力の差なのだろう。
魔術が使えないのなら、剣を使い殺めるしかないだろう。
宿から出て、刃物屋に向かった。お金は溢れるほどできる。木の葉をお金に換えているので、容易く剣を買えた。
剣はシェルの腰につけた。王子そっくりのシェルを見て、人々が頭を下げる。
その中をシェルと腕を組み歩いて行く。
どこに行こうか?
目障りな長老を倒して、シェル様の婚約者のリリアンを殺したい。
馬車に乗りリリアンの家に向かう。リリアンがいなくなれば、シェル様は私を愛するわ。
毎日、腕を絡め、隣に置いてくれた彼は優しい。
正真正銘の恋人になり、この国の王女になりいつか王妃になり、そのときが来たら、シェル様を殺めて、息子のシェルを国王にしたい。
「うふふ、あはは・・・・・・」
アウローラは、一人で笑う。近い未来を予想したら楽しくて仕方がない。
リリアンの家の手前で、馬車を止めてもらった。
騎士がリリアンの家の前に立っている。
「ここも騎士がいるのね」
馬車でリリアンの屋敷を通り過ぎると、屋敷の前だけではなく、庭にも騎士がいる。
アウローラは、馬車を降りて、林の中に入って行く。
夜まで姿を消した方がいいだろう。
町でパンをたくさん買ってきたアウローラは、息子がお腹をすかせる度に、パンを与えた。
その夜、お金が木の葉になったと騒ぎが起きて、殿下がドレスを作ったお店からも被害届が出た。
町は大騒ぎになり、国王陛下の騎士団が慌ただしく町を走り回った。




