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1   どうやら骨折ではなかったようです

 


 マリアンヌ先生が調合してくれたお茶を飲んで、眠るが、眠りが浅く、発熱もしていたリリアンをマリアンヌ先生は、毎日、見舞いに来てくれて、薬を飲ませてくれる。

 足は絶えず氷で冷やされて、固定されている。

 リリアンの食欲は落ち、マリアンヌ先生が持ってきてくれるケーキを口にする程度だった。


「もう、歩けないかもしれないわ。ずっと痛み続けるのかしら?」


 リリアンは弱気になっていた。


「元気を出して、炎症が落ち着けば痛みも落ち着くでしょう」


 マリアンヌ先生は、いつも励ましてくれる。

 ふとした瞬間に、頭の中に一人の老婆の姿が浮かび消えた。


「そういえば、あのお婆さんにお薬をお持ちしなくては・・・・・・」と口にした瞬間、体から痛みが消えた。


「マリアンヌ先生、足が痛くないわ」

「え?先ほどは、赤く炎症をこして腫れていましたよ?」


 リリアンの隣に座っていたマリアンヌ先生は、リリアンの足を覗き込んで、「まあ」と驚いたような顔をした。


「赤みが引いてきているわ」


 体を起こそうとしたとき、モリーが支えてくれた。


「やっぱり痛みが消えているわ」

「不思議ね」


 マリアンヌ先生は氷を退けて、足を見つめる。


「徐々に腫れが引いていくわ」

「これは魔術だったのかしら?」

「魔術なら、誰かが解いてくれたのでしょう」

「アウローラではないと思うわ」


 掛布を取ってもらい、リリアンも自分の足を見つめる。

 メリーもモリーもその様子を見て驚いている。

 見ている間に、赤みも腫れも引いていく。


「まだ足は動かさない方がいいわよ」

「はい」


 今、奇跡の力で治していただいているなら、じっとしていた方がいいに決まっている。

 酷く腫れていた足は、左足と同じほどの細さに戻っていった。


「メリーさん、お医者様を呼んでくださるようにお願いしてください」


 マリアンヌ先生はマリーに指示を出すと、メリーは「はい」と答えて、部屋を出て行った。

 母に伝わり医師を呼びに馬車が出て行った。


「リリアン、足の痛みが治まったって本当なの?先ほどまでとても痛そうに腫れていたのに」

「ええ、急に痛みが消えたのですわ。そうしたらあっという間に腫れも赤みも取れてきたの」

「本当に驚きましたわ」


 マリアンヌ先生は、心底、驚いた顔をしている。


「奇跡が起きたのね」


 母は神に祈っている。


「お医者様に診ていただいて、治っていたら、本当に奇跡ですわ」


 マリアンヌ先生は嬉しそうだ。

 リリアンもマリアンヌ先生につられて、笑顔になる。

 数刻して医師が、連れられてきた。


「どうかなさったのか?」

「急に痛みが消えて、腫れが収まってきたのですけど、診ていただけますか?」


 掛布が捲られて、固定された足が晒されている。

 固定されていた包帯が緩くなっている。

 看護師と医師が固定包帯を解いていく。


「これはなんと!何かを使ったのか?」


 医療茶葉認定医の二人に、医師は聞いた。


「何もしておりません」


 医師はリリアンの足を掴むと動かしてみる。


「痛くはないか?」

「はい、痛くはありません」

「治っておるな。これは奇跡だ。足は折れていた。それが元通りに戻っておる」

「良かったわ」

「何はともあれ治っておる。神のお力か?」


 医師まで神に祈っているので、リリアンもマリアンヌ先生も神に祈った。


「もう歩いてもいい。転ばぬように、最初は気をつけなさい」

「はい。ありがとうございます」


 医師と看護師は帰っていった。


「どうしよう。とても嬉しいわ」

「私もとても嬉しいわ。リリアンの笑顔が見られなくなったら悲しいもの」

「マリアンヌ先生のお陰で、この数日、乗り越えられました」

「私が寝込んだら、リリアンが調合してくださいね」

「はい」


 二人は顔を見合わせ、手を繋いで喜び合った。

 モリーもメリーも目の前で奇跡を見て、神に祈っている。


「お母様、ご心配をおかけしました」

「本当よ。リリアンが歩けなくなったら、どうしたらいのか、ずっと考えていたのよ」

「もう平気です」


 母は喜んで、「お父様に伝えなくては」と部屋を出て行った。


「モリー、今日はお風呂に入りたいわ。髪もずっと洗ってなくて気持ちが悪いわ」

「準備をいたしますね」


 モリーとメリーは嬉しそうにリリアン専用のお風呂の準備を始めた。


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