エルムVS緑の魔道具士ハンス2
「百を超えるゴーレムを出してくるのなら、それをすべてなぎ払うまでだ!」
エルムは膨大なエーテルを身体から生み出せるために、いくらハンスが数を用意しても意味は無い。
ただのゴーレムなら一瞬で倒しきれるはずだ。
「――〝煉獄〟!」
再び詠唱破棄で極大火魔法を放つ――だが、結果は予想外だった。
『お兄さん、相手はあのハンスですよ。いくらお兄さんが六百年経って強くなったとしても、ハンスが創意工夫で軽く対応してくるのは当たり前じゃないですか』
「……そう、だったな」
エルムが放った炎の渦はゴーレム軍団に直進していき、その石の身体を崩していった。
しかし、それは前列のゴーレムだけだ。
その後ろのゴーレムによって〝煉獄〟が打ち消されたのだ。
エルムは、それがどういうことかを瞬時に考えた。
〝緑の創作業着クラフトモード〟のモデルとなった能力でもあり、そのハンスの恐ろしさは対応力だ。
こちらが魔法のみを使うと知れば、一瞬で対処してくる。
「普通なら極大魔法の属性すべてに対応する無敵のゴーレムを作るのは無理だ。だから各属性一点強化のゴーレムを複数作り、隊列を交互に組ませたな……」
〝煉獄〟によって前列のゴーレムだけが破壊され、その後ろのゴーレムによって防がれた。
これはそういうことなのだろう。
いくら広範囲、高貫通の極大魔法を放っても対応した耐性ゴーレムに当たれば防がれてしまう。
『ご明察です。本物の喋れるハンスだったら、意気揚々と解説をしているでしょうね。そして、解説と同時に――物量で押してくる』
その場にいないブレイスだが、どこかでこちらを見ているようだ。
ハンスは黙々とゴーレムを量産してきている。
その数は最初の百から、千程度にはなっているだろうか。
エルムは視覚ではなく、感知能力を使っているのだが思わず笑みがこぼれてしまう。
『さぁ、このままだと押し潰されますよ。どうしますか、お兄さん?』
「決まっている――倒し尽くせばいいだけだ」
次話は明日更新です。
明日は渾身の新連載も同時に始まっていると思うのでよろしくお願いします。





