如月
如月 (二月生まれのあなたへ)
私の生まれた月はそうだった
冬と春のちょうど真ん中
冷たい手を握る手と
その氷のような冷たい手を温めてくれる手と
私の生まれた月はそうだった
桜草や水仙やクロッカスが
仮死したような大地に落としたコンペイトーのように
きらきらと輝く
如月に生まれた私は
ちくちくと肌を刺す星の光のように
如月に生まれた私は
恋をしたときのように暖かくも輝ける
私の生まれた月はそうだった
冬でもなく春でもない月
ちょうど夢を見たときのように
目覚めたくても目覚められない
不思議な時間
砂時計のくびれたところの時間
それが如月