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SANCTIONS~ サンクションズ~  作者: 阿倍 澄
ミランヴァール編
2/5

1.「タイム・ルーズ」

ミドル州の中心部にある、大都市バロン。ここは、ミフィード大陸の重要機関が集まっており、最先端技術が集結している。

この都市には、主に政治家や警察などの政治、治安に関わる仕事をしている者、また、その下で働く国家公務員などが、生活している。


都市の治安を形成、維持しているのが

"サンクションズ育成協会" 。


その協会の入っていく、ここでは珍しい金髪の青年がいた。彼の名前は、吉見(ヨシミ) 瞬夜(シュンヤ) 。サンクションズ隊員のひとりだ。

協会の中は、入るの前方にフロントがあり、右側に警察の本庁へ繋がる廊下が延びておいる。左側は二階へあがるための階段があり、隣にエレベーターがある。エレベーターのほうが、よく使われいるため この階段はほとんど使われいない。

フロントには、若い女性ふたりが来訪者の対応をしていた。

ふたりがとも、見たことのない顔だった。新人だろうか、少し対応に戸惑っているようだった。

「あの、会長に呼ばれてきたんだけど。」

新人のうち、黒髪のショートボブの女性のほうが、吉見の顔を見てから、服装を見るなりはっと、した表情になったがすぐに元に戻し、

「えっと…会長様の招待状をお見せください。」

と、少し固い口調で言う。

そこまで、緊張する必要はないと思うが…まぁ、新人だから仕方ないか。

吉見は、上着のポケットからタッチパネル式通信機スペクチャを取りだし、差し出した。招待状―といっても、電子文字で《依頼 会長室へ》と書いてあるだけのメールだ。女性は丁寧に調べてから、

「少々、お待ち下さい。確認を取ります。」

と言ってスペクチャを返し、インカムに向かって小声で確認をとりはじめた。

吉見は、自分のスペクチャで時間を確認する。―9時55分。 集合時間まであと5分。間に合うだろう。

吉見は、あまり時間を気にするタイプではない。むしろ、ルーズで遅れることがあたりまえだ。けど、今回は遅れると少し厄介だ。なんといっても、時間に厳しく、そしてものすごく頑固でしつこい女宮尾(ミヤビ) (ユカリ)が、待っているからだ。―アイツを怒らせないほうがいい。

「…確認が取れました。今からご案内します。」

女性は席を立ち、 フロントのすぐ横に設置されいる エレベーターほうへ向かう。吉見もそのあとに続いて歩く。

このエレベーターは最上階にある会長室に直接行くことができる。これを使うには、暗証番号と指紋認証装置がついていて、フロント係にしか開けることができないようになっている。

女性がエレベーターの暗証番号を入力し、手のひらを装置にかざすと、装置が青く点滅して、ドアがスッと開いた。

「こちらは、直通となっていますので、お乗り下さい。」

そう言って、乗るように促す。

言われなくても分かっている。何度これに乗ったか…。新人だから知らないのも当然か。

吉見が乗るのを見てから、女性はお辞儀をしてドアを閉めた。

ドアが閉まると先ほどまで聞こえていた回りの音が消え、機械の動く音だけが聞こえる。ここの防音は完璧近く、まわりと雑音を一切遮断する。

―ホントに静かだな。

そのとき、ポケットが振動していることに気がついた。振動しているのは吉見のスペクチャで、メールが来ているようだった。

―佐賀か。どうしたんだ?

佐賀は吉見と同じ、サンクションズの隊員の同期で本名は佐賀(サガ) 雷希(ライキ)。今、向かっている会長室に宮尾と一緒いるはずだか。

《佐賀:早く来たほうがいいよ?宮尾ちゃん、すっごく怒ってるよ。》

―マジかよ。

自分なりに時間に遅れないようにしたはずだか…。アイツどんだけ、厳しいだよ。

吉見は、髪をガシガシとかくと、ポケットにスペクチャを戻そうとしたとき、またスペクチャが振動した。

《佐賀:吉見さ、メール見てないでしょ?見たほうがいいよ。(^^)》

―何で知ってるだよ。

まぁ、実際にメールなんて全く見ないし、そもそもこのスペクチャもあまり使わない。

とにかく、言われるままに開いくと、それを見て、息を飲んだ。

そこには、膨大な量のメールが来た。それも、全て同じ人間から。その内容は

《宮尾:時間変更!!!9:00に集合!!!時間厳守》

といったものだった。ほかのメールも同じ内容で、最後には

《宮尾:アンタ、メール見なさいよ!!》

と書いてあった。

宮尾のしつこさには呆れる。ここまでやられると迷惑だ。

吉見は、溜め息をつきながらその膨大な量のメールを削除した。画面に《削除が完了しました。》という文字が表示されると、ほぼ同時にエレベーターのドアが開いた。


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