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プロローグ
はじまりに存在するのは、神のみであった。
最初に創りしは全ての器と成る大地。
それが出来た時、神は自身の対、ノワール様を大地へと下ろした。
次に神が創られたのは生命の源である水。
水の流れる世界では植物が育ち生きる。
最後に様々な小さな生命を創った神は天へと還った。
ノワール様を大地へ残して。
神が還った時、この世界で確固たる意思を持つものはノワール様だけであった。
まだ意思が弱く脆弱であった精霊や様々な種族に、ノワール様が力を分け与える事によって世界は在り続けた。
それは人間とて同じこと。
魔力を与えられ、力を持つようになった人間は、争いを覚えた。
勝つために力を得んと、ノワール様のところへ集う者達は更なる争いを起こした。
それを悲しんだノワール様は自分と姿形のよく似た者たちを大地に生み出して、姿を消した。