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第17話 もう無理だってぇぇぇ!!


 馬車に乗ると俺はハイネの頬にキスをする。


「ハイネ、みんなが待ってる」


 頬を赤くしたハイネは嬉しそうにうん、と頷く。

 可愛いな。なんだ、これ。

 妹よ。お兄ちゃん頑張った。レオニー隊長に怒られながらも頑張ったよ。

 アグニス陛下が助けてくれて良かった。あれで来なかったら、やり過ぎてレオニー隊長にまた怒られてたかもしれない。あの人、怒るとめっちゃ怖かったもん。

 出勤した時、絶対に菓子折り持っていかなきゃ。色々助けてもらったし。アグニス陛下に菓子折りでいいのか?


「ギルバート」


 急にハイネが俺の肩を掴むと俺の上に乗ってきた。めちゃくちゃ恥ずかしそうにしている。

 え、なにこの状況。ハイネは俺の頬に手を置くとキスをしてきた。

 ハイネにとって、俺は甘えられる存在になったのだろうか。すごく嬉しかった。

 俺はハイネの腰を抱き、そのキスに応える。触れ合う熱い舌が互いを求め合い絡まり会う。流れ込んできたハイネの味を堪能する。


「……愛してる。僕、一目惚れなんだ。その人にこんなに愛されて……こんなに幸せでいいのかな」


 まじで、一目惚れなの?

 おいー、過去の俺ー。何してんだよー。

 だから俺が謝ったり、何かする度に嬉しそうだったのか。可愛すぎる。悪役令息ってこんな可愛いもんなの?

 あー、だめだ。

 この可愛い嫁の取り扱い説明書欲しい。


「当たり前だろ……幸せになって貰わなきゃ困る」


「一生側にいてくれる?」


 ハイネは甘えたような顔で見てくる。

 もう無理だってぇぇぇ。俺の理性試されてるぅぅ。これプロポーズじゃぁぁぁん。


「側にいるよ。沢山甘やかしてやるよ。俺なしでは生きていけなくなるかもな」


 冗談を言って、笑ってみた。

 ハイネがぎゅっと抱きついてくる。そして、小さく呟いてきた。


「……もうなってる」


 もう無理。まじで無理。

 プツン、と切れた理性はハイネの唇を強引に奪い逃げ場を無くす。


「んんっ……」


 口端から盛れる吐息が熱い。食べてしまいたい。この甘くて頭から足先まで愛してると言わんばかりの匂い。早く、早く、俺の番にしたい。


「ふっ……ん、んぅっ」


 ハイネの頬にかかる横の髪を耳にかけ、耳に優しく触れる。肩を震わせるハイネは俺にしがみつく。

 唇を離し、耳を甘噛みしていると頬を捕まれ、またキスに戻される。

 たまらなく、可愛い。俺はハイネの背中に手を入れ、下を隠すように締められたベルトに手をかけた。







 

 鳥の囀りが聞こえる。俺はうつ伏せのハイネから体を上げた。白い背中に残る自分が付けた後に優越感を得てキスを落とす。


「んっ……」


 ハイネは微かに声を漏らし、肩を震わせた。首裏の俺が付けた仮番の印を指でなぞる。痛そうだな、と思いながらもつい触ってしまう。


「好きだね、ずっと触ってる」


 ハイネがほんのり頬を赤く艶めいた顔を向けてくる。

 昨日は帰ってきてメイド達にハイネを会わせず部屋に入ってまった。俺の次にハイネに会いたかったのはメイド達だ。きっと、母親と父親に有無を言わされず連れて行かれ心配していたはずだ。


「後で、怒られるかもな」


「……誰に?」


「んー、メイド」


 ハイネはくすり、と笑う。


「ギルバートの部屋……初めて入ったかも」


 あー、確かにそうだ。いつも俺がハイネの部屋に行っていたな。

 ハイネは布団を口元まで持ってくる。匂いを嗅いでいるようだった。

 朝起きてハイネがいるの、いいな。


「部屋、一緒にするか?」


「……ふぇ!?」


「いや、ハイネと一緒に朝迎えるの幸せだなって」


 柔らかいハイネの頬を指で撫でたり、突ついてみる。すぐ赤くなって可愛いよなぁ。

 猫がゴロゴロ言ってるみたいだなぁ。あー、可愛いくてたまんねぇ。


「部屋、一緒がいい」


 そっと、俺の胸元に手を置いたハイネは頬を寄せる。

 ああ、可愛い。嫁が可愛すぎる。


「決まりだな」


 俺はハイネを抱きしめる。ハイネがブランケットの中を覗く。


「一回、寝ようよ」

 

「……あと一回たけ」


 そう言って俺はハイネの上に覆いかぶさった。


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