4,冒険者とダンジョン
俺は目が覚めると、起き上がる。
そして、着替えて俺は城の外に向かう。
今日は講義がなく、一日中自由な時間だ。
俺は城の門まで来ていた。
そこには城の門番がいた。
門番の一人が俺の方に来た。
「どのような御用で外出されるのでしょうか。」
丁寧な口調でそう俺に問いかけてきた。
ただ、その視線は俺がハズレと言われる存在であることを知っているからだろうか。俺のことを見下した視線だった。
俺は門番のその問いに答える。
「今日はレベル上げに行くのです。何かまずいでしょうか?」
俺の問いに門番は
「特に問題はありません。ですがこの許可証をお渡しします。これがあればここの門を通ることが容易になります。この許可証は町の間所も通ることができます。」
そう言って、金属製の銀のカードのようなものをわたしてきた。
俺はそれを受け取ると、門を通過し町の方に向かう。
しばらく歩くと、冒険者ギルドが見えてくる。
冒険者ギルドは、冒険者のサポートをする機関だ。ギルドは国から独立しており、依頼の斡旋、素材の買い取り・解体、パーティーの作成・加入・解散などの立ち合いなどを行う。
それはこのギルドの登録した冒険者が受けることのできる恩恵だ。
俺は冒険者ギルドの中に入る。
そこにはたくさんの冒険者がいた。
俺は受付に向かう。
そこにいる受付嬢に声をかける。
「あの、冒険者登録したいのですけど。」
俺がそう声をかけると、受付嬢はこちらの方を向く。
「ええ、登録は可能ですよ。ではこちらの紙に名前や職業などを書いてください。ただこちらの名前などは別に本当のことを書かなくても構いません。ただそこに書いた情報をもとにそうなのだと判断して対応させていただきます。」
受付嬢は俺にそう返答する。
つまり、自分の情報を秘匿することができるが、書いてあるものだけで判断して対応するということ。これはお忍びの貴族や潜入の時に使うためだろう。
と言うか逆か、そういう時に自分たちが処分をしなくていいからか。
俺は納得するとその紙に情報を書いていく。
名前は影宮だけ、職業は剣士、年齢はそのまま記入する。
そのほかの情報も書き込んでいく。
俺が書き終わると受付嬢が口を開いた。
「ありがとうございます。では少し待っていてもらってもいいですか。冒険者カードを作るので。」
「はい、大丈夫です。」
そう言って、受付嬢はカウンターの裏に入っていた。
なぜさっき職業を剣士と書いたのかと言うと、もともと俺は魔法使いで続ける気がないんだ。
なぜなら、恐らくこの世界から帰ることはできないのだろう。
なら、自分のジョブを一度で決めるなんてもったいないだろう。
俺は魔法使いの職業をカンストしたら、剣士の職業になるつもりだからな。
俺がそんなことを考えていると、受付嬢がこちらに戻ってきた。
「こちらが冒険者カードです。それから冒険者の説明を行ってもよろしいですか。」
「大丈夫です。」
「では、冒険者には10段階のランクがありまして、下からF、E、D、C、B、A、S、SS、SSS、序列の順です。序列は上位十一人が入ります。上から序列何位となります。次に、・・・」
そうして、受付嬢からの説明を受けて、俺はFランクから冒険者としての活動をスタートした。
俺は依頼は受けずに冒険者ギルドを出ると、鍛冶屋に行く。
俺が鍛冶屋に入ると、店番らしき青年がはなしかけてきた。
「お客様、本日はどのような物をご所望ですか。」
「剣が欲しいのですが、」
「はい剣ですね。わかりましたそれなら、こちらに来てください。」
そう言って店員は俺を呼ぶ。俺はそちらに向かう。
すると、そこには多くの剣が並んでいた。
俺はその中から、剣を選ぶ。
俺は剣を決め、それを店員に言う。
「はいでは、こちらのアイアンブレードですね。こちらは金貨二枚になります。」
俺は国からもらった金貨十枚の中から払う。
それを受け取った店員は剣とその鞘を渡してくれる。
この世界の金貨は基本的に十万円の価値がある。
つまりこの剣は二十万円に相当する。
俺は店を出る。
そして、道具屋に行く。
道具屋に入ると俺はマジックバッグ(小型)と下級ポーションを持って店のカウンターに行く。
「これが欲しいのですが、」
俺がそう話しかけると、店員は笑顔で接客する。
「はい、かしこまりました。では合わせて金貨六枚です。」
俺は金貨六枚を店員に渡す。
店員はそれを受け取ると、俺に商品を渡す。
俺はそれを受け取り、マジックバックを腰に着ける。
そしてその中にポーションを入れる。
このマジックバックは腰に着けるタイプの物だ。
これは小型なのであまり物は入らない。
俺は店を出て、今度は間所に向かった。
ようやく、準備が整ったので俺はダンジョンに行こうと思う。
近場のダンジョンなら、歩いて町から三十分程だ。
俺は許可証を使い、間所を通る。
そして、ダンジョンに向かう。
その道中、魔物が現れた。
どうやら、イノシシの魔物らしい。
俺の方に突進してきた。
俺はそれをそこに飛んで回避した。
俺は剣を抜いて、構える。
魔物はその間に体制を立て直したのか、こちらを向いている。
俺は地を蹴り、魔物に接近する。
そして魔物に斬りかかる。
それが魔物に直撃するが、殺しきることはできなかった。
俺はバックステップで距離を取る。
すると、魔物が突進してきた。
今回は先ほどとは違い距離が近いため、俺は回避しきれず剣で受け流す形になった。
俺はそれで体制を崩したが、ジャンプすることで体制を立て直した。
そして、突進で距離が近づいた魔物に斬りかかる。
今度は殺しきれたのか、魔物は動かなかった。
俺は魔物の解体をはじめる。
魔物の死体を放置しておくと魔物がよりついてしまうため、しっかりと処分する必要があるのだ。
俺は少し苦戦しながら、魔物の皮を剥ぎ、角を回収し、さすがに肉は全部持って帰れないため、少しだけ回収し、魔石も回収する。
これだけでマジックバックが四割も埋まってしまった。
だが、仕方ない。残った肉は道からすこし外れたところに埋める。
俺は再びダンジョンに向かう。
その後は魔物に襲われずにダンジョンに着いた。
このダンジョンは、あまり強い魔物はいなく、動物系の魔物が出てくるようだ。
そして、ここのダンジョンは三十階層ある。
俺はダンジョンの内部に侵入する。
すると、そこは森林だった。
このダンジョンは回想全体が森林で、階層を下る階段を探さなければいけない。
俺は辺りを散策する。
しばらく辺りを散策すると、背後から急に何かが接近してきた。
俺は振り向き、瞬時にバックステップで距離を取る。
そこにいたのは、狼の魔物だった。
こいつは図書館で読んだ本に出てきた。
確か、レッサーフォレストウルフじゃなかったか。
するとウルフは俺へ、攻撃を仕掛けてくる。
爪で俺の胸を狙って攻撃を放つ。
俺はそれを剣で弾く。
そして、弾かれて体制を崩したウルフに斬りかかる。
だが、それはウルフが回避したことで当たらず、俺は隙を晒した。
その隙を狙ってウルフは爪を振るう。
俺は何とか腕で体を守るが、ウルフの攻撃を食らい左腕に傷ができる。
俺はバックステップで距離を取る。
そして、ウルフが動くのを待つ。
だが、ウルフも動かない。そして数秒の静寂が訪れた。
俺はその間、思考を巡らせていた。
左腕の傷的にポーションを使用したいがそれをすると確実に攻撃を食らう。
だが片腕で勝つのは難しい。
ならば、カウンターにかけて次で殺す。
そして、その静寂は破られた。
最初に動き出したのはウルフだった。
ウルフの噛みつく攻撃を影宮は紙一重で回避する。
ほんの数センチずれていたら食われていた。
影宮は剣を振らず、ウルフの腹に拳を叩き込んだ。
ウルフは、その衝撃で一瞬宙に浮く。
影宮はそこでウルフの首を刎ねた。
俺は何とかウルフを殺して、ポーションを飲む。
すると、左腕が治る。
俺はウルフの魔石を回収する。
ダンジョンでは、死体ではなく魔石だけ落ちる。
この原理はいまだ解明されていない。
俺はステータスを確認する。
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鳴瀬 影宮
人間
魔法使いLv2
MP20/20
筋力 2
防御力 2
敏捷性 3
魔力 3
体力 2
スキル 魔法球 ライトニング
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どうやら、魔力と敏捷性のステータスが魔法使いは高いらしい。
それと、ライトニングと言う魔法が追加されている。
どうやら、スキルはレベルが上がると得られるものと、条件を満たすと得られるものがある。
今回はどちらかわからないな。
だが、恐らくレベルアップなら今後も雷系の魔法が出てくるはずだ。
逆に条件を満たす方ならば、雷系は出てこないだろう。
まあ、今考えても仕方ない。
さて、これから後レベルを最低でも八つはこのダンジョンで上げるぞ。
そうして俺は狩りを再開する。
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