11,旅立ち
俺達はあの後、少し雑談を交わし。俺がけが人と言うこともあり部屋に戻された。
アリシアの告白から一週間が経過した。
あれから結局監視はついていない。どうやら、あの時のことは俺が監視がついていることが気に食わなかったとでも思われているのかもしれない。そもそも、俺が王都のダンジョンに向かったことはばれていないしな。
ところで俺は今どうなっているのかと言うと、玉座の間にいる。そう俺達は今謁見をしているのだ。
なぜこんなことになっているかと言うと、原因は先日の襲撃だ。
この前の襲撃で王城は結構壊れてしまったようで、その修繕をする必要がある。
そして、帝国軍にこのことを知られている。
その事実が王国にとって非常にまずいのだ。
このような状態で今現在足手まといな勇者一行を王城で養うことは難しい。
だから、俺達は各地を旅しながら経験を積んで強くさせるためと言う名目で、旅をさせられようとしているというわけだ。
そうそう、先日の襲撃と言えば俺達を襲った魔族がいたわけだが、実は魔族は五人もいた。俺たちが倒したのはその中の一人だ。そして、残り四人はどうしたのかと言うと帝国軍が討伐した。正確に言うとラインハルト中将が内三人を討伐している。
王国は帝国に対して、借りを作ってしまった。
対価として、転移者を要求される可能性がある。
そう言う理由からも、転移者を少し手放す方が王国としては都合がいいのだ。
俺としても監視のめがなくて、呪いを解くことができるのはありがたい。
まあ、一応同行者もいるようだが。
俺がそんなことを考えている間にも王は話している。
「・・・のため、そなた達は魔王を倒すため我が国の脅威を排してほしい。」
王はそんな建前をべらべらと喋る。
王がそんな建前を話し、もろもろの調整が終わると謁見は終わった。
話が長かったという感想を抱きながら、俺はアリシアのいる図書館に移動する。王都を旅立つまであと三日ほどある。俺はその間に手を打とうと思う。
ここ一週間俺はほとんどの時間をアリシアと過ごしていた。それ以外の時間は他の転移者との込みにケーションや王国の人間との話だった。
俺が図書館の扉を開けると、本を読んでいたアリシアがこちらを振り向いた。今まで落ち着いて話すことができなかったが、なぜアリシアがここに常にいるのかと言うと、ここは王城の第二図書館だから他の王族は使わないかららしい。活動範囲が極端に限られているから、本を読む以外することがないからこの図書館に常にいるらしい。この図書館も名ばかりで、司書は1人でその司書でさえたまにしかいないという。
俺はそんなどうでもいい思考を振り払い。
アリシアの方に向かう。
「少し大事な話があるんだけどいいかな。」
俺はそう口を開く。
アリシアは少し真剣な表情になる。
「実は転移者が王国内を旅することになったんだ。」
俺がそう告げると、アリシアは落ち込んだような表情になる。
そう、つまり俺達が当分会うことはできなくなってしまうからだ。
俺だってそんなことは嫌だ。だから対策を考えた。
「いやです。せっかく付き合えたのにもう離れ離れになるなんて。」
付き合った。確かに客観的に見れば婚約者や付き合っていると言ってもいいだろう。俺はアリシアからその言葉を聞いて、嬉しい思いになる。
だが、アリシアが不安がることはあってはならない。
「実は対策を考えたんだ。だから、一芝居うってくれないか。」
そうして、俺はアリシアに自分が計画している対策を伝えた。
三日後。
俺達が王都を旅立つ日になった。
俺達は王からの見送りを受け、王都を離れた。
俺は今、アリシアと同じ馬車に乗っている。
俺たちが旅立つ一日前。
アリシアに頼んで、王に俺たちの旅についていきたいと言ってもらった。
もちろん最初は何を言っているんだということになったらしい。
だが、そこで自分を助けてくれた転移者を助けたい。と言うことを話してもらった。
その発言する場には第一王女もいた。
第一王女はその助けた転移者がはずれであることを知っているのだ。
そして、アリシアの呪いがあることも知っているのだ。
つまりどういうことかと言うと、第一王女は俺達を同時に始末できる都合のいい機会だと思ったんだ。もちろん、それは俺の作戦なわけだが、王女はそれに気づかずに俺達が一緒に旅することを王に進言した。
だから、今アリシアは俺と一緒に旅をしている。
ただ、さすがに王が他の転移者と一緒にはできないと、俺達は他の転移者たちとは別の馬車にされている。
今回は俺の作戦勝ちだな。
俺はそんな感想を抱くとともに、これから絶対にアリシアの呪いを解くもう一度決意し直した。
最後とても雑になってしまいましたが、皆さま一章を読んでいただきありがとうございました。あと一話は一章の要約と、設定の説明ですから読まなくても二章を読むことができます。
誤字や間違いがありましたらご報告いただけると助かります。
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ご朗読ありがとうございました。




