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夜記

作者: シリウス

夕日が落ちていく。

暖色が消えて空が冷たく深く青く染まっていって、僕はなんとも憂鬱な気分になる。

暗くなった空に散った星ですら、街の灯りにかき消されて慰めてはくれない。

線路を走る電車の窓からは青白い光がこぼれ出して、鉄のレールを照らす。

ギスギスと音を鳴らして通り去って行く。


そして僕は一人、その横を歩く。


線路沿いの小さな焼き鳥屋の匂いが重たい空気に吸われて寂しいものに変わる。朝はピカッと輝く公園の滑り台も、今は鈍い灰色になっている。


手に持ったスマホの画面にパッと咲いた通知は、どこか知らないところの物語。

夜に溶けて消えていく。


伸びる二重、三重に重なった影はあっちへこっちへ、焦点が定まらずに揺れている。


あぁ、このままじゃいけない。


どこか遠くへ遠くへ僕は行きたい。



胸が掻きむしられるような感情を抱えて、また夜がやってきた。

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