プロローグ
~プロローグ~
最初に言っておくが俺はモテる。
最近はやりの小説ではモテないと称する主人公がストーリーが始まったとたんモテ始めるという、いわゆるラノベ主人公という設定が鉄板であるが俺は違う。なぜかモテるのだ。ちなみに特段かっこいいわけでもない。しかし小学生の時はクラスの女子全員から給食のデザートのプリンを渡されていたし、中学校の時には彼女がいなかったことはなかった。常にだれかとうわさされ、自分自身でももう謙遜なんかせずモテるのだと、そう言い切れるまでに俺の人生はモテまくっていた。ただ好きな人が今までいたかと言えばそうではなく、ただモテていたから、告白されたから付き合うという人生を歩んでいた。そう、今までは。
高校一年、春。俺は藤ヶ崎中央高等学校という高校に進学すると同時に、一人暮らしをすることとなった。藤ヶ崎中央高等学校。文武両道、品行方正、県外からも入学者の絶えない俺が住む群馬県では言わずと知れた名門校である。まあ俺はみんなが想像するような群馬県な場所に住んでいるので(高校に行くのに片道三時間半かかる...)高校生の立場ではあるが晴れて親元を離れ、高校寮である「建真館」に住むことになった。まあそんなことはどうでもいい。ここからだ。入寮初日、多くの新入生が入り混じる中、俺も淡々と荷物を運んでいた。そんな期待とけだるさの視界の中に、彼女が現れたのだ。