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もう一度、名前をよんで。  作者: 七瀬かいり
14/25

玉ねぎの味噌汁

13話の誤字、指摘してくださった方ありがとうございました!!

(全く気付かなかったです汗)

今日子さんには「朝ごはん食べて行く?」と言われたが、私は断った。

久しぶりにお母さんのご飯が食べたい。

また食卓を家族で囲みたい。

そう強く思った。





ーーーー





玉ねぎ、豆腐、味噌、あとは粗いかつお節。

塩はまだ家にあるはず。


手際よく、買い物かごの中に食材を入れていく。


(ふぅ)


スーパーに来たのは久しぶりだ。


お母さんの買い物について行き、カゴをのせるカートで遊ぶのが、小さい頃楽しみの一つだった。

お母さんの代わりにご飯を作る時も、お父さんが食べてくれると思えば何ともなかった。


自分のためだけに作るのは、少し悲しくて、いつからかご飯を作るのをやめた。

案外、コンビニのお弁当も美味しかったが、毎日食べていると逆に手料理が恋しくなる。




今日は、自分でご飯を作りたいと思った。


まぁ、気分だ。


玉ねぎ、豆腐、味噌、粗いかつお節。

今日の朝ごはんは『玉ねぎの味噌汁』だ。





ーーーー





「ただいま」

返事はないが、物音はするので、母はもう起きていることがわかった。


冷蔵庫を開けると、兄の誕生日ケーキがホール半分くらい残っている。


(まぁ、あの量一人で食べるのは無理だよな)



そう思いながら、ケーキ以外ほとんど入っていない冷蔵庫に、今買ってきた食材を入れ始めた。





ーーーー





『玉ねぎの味噌汁』が鍋に出来ると、食器棚からお椀を四つ取る。

でも、少し悩み、一つはとりあえず戻すことにした。

三つのお椀に同じくらいの量、味噌汁をよそる。


そして、ケーキを三等分した。


一番大きく切れたケーキに、「俊一 HappyBirthday」と書かれたチョコカードを乗せた。



(ふぅ)


一つ呼吸をする。

お盆に乗っけた、味噌汁とケーキを見て、微笑んだ。





ーーーー





お盆を持って、お母さんの部屋の前まで来る

母は、自分の部屋にこもったままだ。



コンコンコンッ


ノックをする。反応は無い。



(しょうがない、入っちゃおう)


そう思い、重い扉を開けた。

最後の重い扉っていうのは、気持ち的にもそうなんですけど、物理的にもですね

まぁほぼ五年間こもってるわけですから笑

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