会いたい
自分勝手( ˙^˙ )
「自分勝手」
そう言った途端、父の目の鋭さが弱まったのがわかった。
「・・・」
父からの返答はない。
だけど続ける。
「自分だけ逃げようって?ふざけんな。私を置いて、逃げようって?おまえ仮にでも親じゃなかったのかよ。自分勝手。」
「すまない、」
「すまない……?」
「・・・」
「あぁ、そっか。そんなもんか。」
不意に笑いがこぼれてくる。
別に笑いたいわけでもなく、笑う要素があったわけでもない。
ただ『絶望』しただけだ。
この目の前にいる父親に。
「じゃあね」
そう言い捨て、私はその場から逃げるように走った。
走っているとだんだん見ている景色が崩れていく。
街灯が2つに見えて、前を歩いている人の顔はのっぺらぼうだ。
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今、無性に会いたい人がいる。
今行ったら迷惑だろうか。
でも、今行きたい。そして話を聞いて欲しい。
抱きしめて欲しい。
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ただ、私は、家族に愛されていたかった。
家族を修復したら、また私を見てもらえる?
私の名前、呼んでくれる?
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『今日子さん』
彼女に会った時、感じたことがある。
前のお母さんみたいだって。
『狂う』前のお母さんみたいだって。
あぁ、もう一回会いたいな。
ハンバーグ定食については触れないでください