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第54話 全自動思考回路付自立型オナ〇

 αが王都で現れてから数日、俺はとにかく冒険者たちとの親交を深めまくった。

 一緒にクエストを受けたりもしたし、一緒に飯を食べたりもしたし、なんなら風俗にも一緒に行った(もちろん、俺は見抜きしかできなかったが)。

 たったの数日とはいえ、俺はほかの人たちを気安く呼び合うような仲にまで発展させることができた。

 それと同時に、あまり嬉しくないニュースも耳に入ってきた。


 王都から少し離れた村で、人型の魔物たちの襲撃があったそうだ。

 村はほぼ壊滅状態。幸いなことに死人はいないらしいが、意識不明の重体の人々が多数いるらしい。

 その村に近かった、町も軒並み同じような状態になっているらしい。

 どう考えても、()()()魔物の仕業じゃない。

 そして、その魔物たちは現在この王都に向かってきている。

 ……ついに来たと考えたほうが良いだろう。


 そういうわけで、ギルドから臨時のクエストが発令された。

 クエスト内容は、『魔物たちの王都侵入の絶対阻止』。

 王都内の冒険者全員が駆り出され、なんとしてでも魔物の群れの侵入を防いで、撃退するというシンプルなものだ。

 クエストのクリアの報酬は、ルートが上手くやってくれたらしく、国から直接成功報酬が出されるらしい。

 しかも、倒せば倒すほど貰える出来高式だ。


 通常は起こらない異例の臨時クエストに、冒険者たちは皆戸惑ったが、出来高式と聞くとやる気が出たのか、およそ300人ほどの冒険者が集まった。

 もちろん、俺からの事前の情報により、どんな相手が来ても対抗できそうな凄腕の冒険者たちや、なかなかの腕の持ち主ばかりが集められた。

 他の冒険者たちは、万が一の事態に備えて、王都の中に住んでいる人たちの避難誘導をしている。

 もちろん、この冒険者たちにも一定の報酬が支払われる。

 しかし、一つ残念なのが……。



「どうしてスズネちゃんもここにいるのかな……?」


「わ、私も戦います! あ、アレイスさんのお役に立ちたいですから!」


「あのさぁ、危ないから避難誘導の方に回ったほうが良いって言ったよね俺!?」


「でも、ルートリアさんに『君は戦う方が適任だよ』って言われました」


「クソッ、ルートのやつ……」


 俺は危険が及ばないようにスズネちゃんは戦闘チームに参加しないように勧めていた。

 でも、スズネちゃんは自ら戦闘チームを志願したらしい。

 まったく……、どうして小さい子はこうも言うことを聞かないんだ。


 今回は運が悪く、現在王都には勇者が一人もいない。

 全員他の都市や国に用事があって忙しいんだと。

 さらに残念なことに、テレポートで魔王城に戻ることができないため、仲間たちを呼んでくることもできない。

 前にルートに使えている執事のセバスさんが来たときには、ある勇者がテレポートを使えたらしいのでそれで送ってもらったらしいのだが、さっきも言ったように勇者は外出中なので、ここから魔王城まで一瞬で行けるくらいのテレポートを使える人はいない。


 だから、今回は俺を含めた冒険者たちでどうにかするしかない。


「いいかいスズネちゃん。相手は本当に危険な相手かもしれないんだ。だから君はなるべく後ろで他の冒険者の援護をしてくれ」


「どうしてですか! 私もアレイスさんと同じ前のほうで戦いたいです!」


「頼むよ……君に傷ついてほしくないんだ」


「ッ!? ……分かりました」


 すると、スズネちゃんは納得してくれたのか渋々陣営の後ろの方に向かって行った。


「傷ついてほしくないって……、つまり傷つけていいのはアレイスさんだけってこと……? だ、だとしたら……、うへへ……」


 何かつぶやいてるように見えたが、内容は上手く聞き取れなかった。



「おい! 何か近づいてきてるぞ!」


 それは誰の声だったか。

 その声につられて、みんなの視線が一点を向く。

 視線の先には、謎の集団が歩いてきている姿が見える。

 全員が構えの姿勢を取る。


 その集団は、ほとんど全員が同じ姿をしていた。

 前身は透き通るようなピンク色で、服の類は着用していない。

 そして、頭部には、どこかで見たことがあるような筒状のものが……。


「「「「「あっ」」」」」


 そこにいた男たち全員が同時に声を出してしまった。

 それもそのはず、その頭部にあるべきものとすり替わっている、頭の部分になっているものは、毎度御用達のオナ〇ワームだったからだ。


「な……何だあれ……?」


「あれって、()()だよな……?」


「うん。どう見てもアレだよ」


「確かアレ売ってたのって……」


 男たち全員が俺の方を見てきた。

 その視線は、まるで『あれは一体何なんだ』と言っているようだ。

 いや、そんな風に見つめられても……。

 俺もあれは一体何なんだと言いたい。

 全く記憶にない。

 ……っていうか、よく見たら頭の形違ってるわ。

 あれは普通の貫通式のオナ〇ワームで、あっちは熟女風のオナ〇ワームのやつか。

 ……まさかDr.のやつ、オナ〇ワームを改造したとかいうんじゃないだろうな。

 改造して、首から下生やして人型にしました~とか普通に笑えないんだが。


 ……というか、ほんとに色んな種類のオナ〇ワームがいるなぁ。

 あれはキッツキツのオナ〇ワームで、あれは……、非貫通のやつか。

 あっちは早漏改善用の医療用オナ〇ワームで、こっちは壁尻型のオナ〇ワーム。

 ……なんか、種類多すぎない?

 いくら俺が色んな種類のオナ〇ワームを大量創生したからとはいえ――――

 ――――大量?


「……『投影』」


 嫌な予感がした俺は、頭上10メートルほどのところに視聴用のスクリーンを展開した。

 そして、俺の目の前のスクリーンに映し出された映像は、想像を絶するものだった。


「ッ――――――!?」


 視界の先、見渡す限り全てがピンク色の物体で埋め尽くされている。

 冗談ではなく、()()()()辺り一面がピンク一色になっているのだ。

 もしも、これら全てが人型オナ〇ワームだとすると、1000はくだらない。

 ざっと5000体と言ったところだろうか。

 そうだとすると、その戦力差は圧倒的だ。

 こちらが300に対して向こうは5000、10倍以上の差がある。


 だがしかし、解決策ならある。

 たとえオナ〇ワームが人型になろうと、所詮オナ〇ワームはオナ〇ワームだ。

 その戦闘力はたかが知れたものだろう。

 この世界は銃のような圧倒的火力を持つ武器は存在しない。

 もしそんなものでもあれば、数の差は絶対的な力となり、銃の軍隊にやられてしまう。

 が、そこは安心、科学技術がほぼ全く発展していないこの世界では戦闘力があれば数の差なんてどうとでもなる。


 俺も、この日に備えて新しいスキルをいくつも習得しておいた。

 無駄に高いレベルのおかげで、スキル習得のためのSP(スキルポイント)はゴミほどある。

 魔力切れになっても大丈夫なように、魔力回復用のポーションも買った。

 さらに、こっちの味方たちの戦闘能力は並の冒険者をはるかに凌駕する。

 負ける要素がない……、と言いたいところだが、それはフラグになってしまうので口には出さないでおこう。

 何が起こってもいいよう、最大限の警戒だけは怠ってはいけない。


 様々な考えを巡らせていると、急にオナ〇ワームの軍隊が立ち止まった。

 辺りが一瞬ざわついたつかの間のことだった。



「貴様ら人間に一つ尋ねる!」


 なんと、先頭にいたオナ〇ワームの一体が喋りだしたのだ。


「えぇ……、しゃべるの……?」


 いや待て、しゃべれるのなら交渉も可能かもしれない。

 何もせずに帰ってくれるのなら、それに越したことはない

 とりあえずは様子を見よう。


 最初は一体何を言ってくるのかと思ったが、その内容は衝撃的なものだった。


「『フォート・アレイス』という人間はどこにいる!?」


「……今なんて言った?」


 なんと、オナ〇ワームの口から俺の名前が飛び出してきたではないか。

 やっぱりこいつらDr.の最新作か……。

 俺を探して抹殺するためにここまで来たのか。

 ……さて、どうしたものだろう。

 ここで俺が名乗り出たほうが良いのか。

 それとも、俺が『フォート・アレイス』であることを隠したほうが良いのか。


 ……ここは名乗り出たほうが良いだろう。

 もし、オナ〇ワームたちの攻撃の矛先を全て俺に向けられたら、オナ〇ワームを誘導することができる。

 街の中に入れないようにもできるし、何よりスズネちゃんが傷つくこともない。

 ……俺が逃げ続けられればの話だが。



「俺がそのフォート・アレイスだ」


 俺がオナ〇ワームたちの前に出ると、オナ〇ワームたちの周りの空気が変わった。


「……お前が、俺たちを生み出した者か」


「ああ、そうだ」


 俺が答えると、続けてオナ〇ワームたちが次々に話し出す。


「お前に問いたい。なぜ我らを生み出した?」


「我らは本来この世には存在しなかった存在。寿命もたった1週間しかない」


「なのに、その一週間我らが受ける仕打ちは人間の男どもの性欲処理のための道具扱いだ」


「こんなことのために、我らは生み出されたわけではないはずだ」


「教えろ、お前は何のために我らを創り出した」


 えっ、教えろって言われても、俺も単純に性欲処理のためだけに生み出したんだけど。

 そ、そんな『何か特別な理由があったに違いない』みたいな感じのオーラを出されても……。

 やべぇよ、いくらなんでもそれしか理由がないからって言ってみろ。

 ……こういうときは、正直に言って謝るしかない。


「すまない。お前たちオナ〇ワームは、元々俺の性欲処理用に創り出したものだ。俺はお前たちの気持ちを考えていなかった。本当にすまなかった」


 そう言って、オナ〇ワームに向けて謝罪した。


「……そうか」


 それだけ言うと、オナ〇ワームたちは一斉に――――


「「「ぶっ殺!」」」


 跳びかかってきた!


「クソッ、やっぱりこうなるか……」


 とっさに俺はオナ〇ワームたちに向けて、爆弾を投げつけた。

 この爆弾が爆発した音が聞こえたら、戦闘開始の合図だと、全員に伝えてある。

 そして今、爆発した。



「かかれ――――ッ!」


「「「うおおおおおおおおおおおッッ!!」」」


 こうして、後に『逆襲のオナ〇』として語られる戦いが始まった。

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