表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/88

第27話 40歳童貞のまま死んでたまるか!

ついに作品の評価が100pt達成しました!ブクマ・評価をしてくださった皆さん、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!

「そ、そんな……」


 魔王軍幹部と遭遇し、アロマにすべてを丸投げして人々の避難させていた俺。

 しかし、そのアロマは幹部ミメシスとの戦いに……。


「ごめんね、魔王さま……。私、勝てなかった……」


「そんな……」


「さぁ、勇者さん?」


 声をかけられ、俺は再度気が付いた。


「アタシと戦ってもらおう!」


 俺は今、最悪の状況に置かれていることに。



「グッ…………」


 どうする……?

 このまま戦っても、俺が勝てる気がしない。

 というか、勝てるわけがない。

 考えろ、この状況を打開する方法を……ッ!


「まぁ、あんたみたいな雑魚にアタシが負けるわけがないだろうけどな」


「……は?」


「だって、あんた弱いんだろう? あのお嬢ちゃんに全部丸投げするくらいなんだ。アタシ、あの後逃げたのかと思ったけど、一応様子を見に来たって感じか」


 さらに、ミメシスは続ける。


「それに、あんた仲間に、しかも女に戦いを押し付けるなんて、恥ずかしいと思わないのか? あんた、勇者なんだろ? そんなクズみたいな奴が勇者なんてなぁ……」


 さらにさらに、ミメシスが続ける。


「というわけで、アタシはあんたみたいな()()()()()勇者には負けないってわけだ。何の抵抗もしないのなら、お情けに苦しまずに死なせてやるよ」


 プッツ――――――ン。

 そんな音が聞こえた気がした。




「…………誰がクズで雑魚だって?」


 自分でもクズで雑魚だということはわかっている。

 だけど、他人から言われるととてもイラつく。

 自分が勉強が苦手だとわかっていても、周りに『あなたは勉強ができないのね』と言われるのは嫌なのと同じだ。


「黙って聞いてれば色々と言ってくれるじゃないか」


「なんだって? まさか、アタシに文句があるのか?」


「そうだよ、ありありだよ」


「へぇ……、じゃああんたはクズで雑魚じゃないって言いたいのか?」


「……いや、それは違う。お前の言う通り、俺はクズで雑魚だ」


 そう、俺はクズで雑魚だ。

 けど、ただのクズで雑魚なやつじゃない。


「ここに宣言する! お前は俺には勝てない!」


 俺はミメシスを指さし、決めゼリフを言い放った。


「……はぁ、何言ってんだ? アタシがあんたに勝てない?」


「ああ、お前は俺に勝てない」



「……ぶッ、アハハハハハハ!!」


 急にミメシスが笑い出した。


「アハハハハ! きゅ、急に何を言い出すかと思えば……! アタシがあんたに勝てないわけがないだろう!」


 そのまま、ミメシスは笑い続ける。


「あんたは仲間に戦闘を押し付けて、あわよくば逃げようとしたんだろう? そんなやつが、あたしより強いとは思わないんだけどねぇ」


「だからさっきも言っただろ? 『俺はクズで雑魚だ』って」


「まぁ、もう無駄なことはしないほうがいいよ。何もしなかったら、代わりに楽に逝かせてやるから」


「やってみろよ」


「えっ?」


「楽に逝かせてくれるんだろ? やってみろって」


「……ハハッ、あれほど言っていたのに、もうあきらめるのかい。本当にあんたは雑魚だね」


 そう言いながら、ミメシスは体から触手のようなものを出した。


「これであんたの頭を貫いて、一撃で確実に逝かせてやるよ」


 触手が俺のほうに向かってものすごいスピードで伸びてきた。

 だが次の瞬間、俺はそれを回避していた。

 俺のスキル『回避』が発動したのだ。


「な、何だって……!?」


「……フッフッフ、フゥーハッハッハ!!」


 思わず笑ってしまう。



「どうだ! お前は今自分の攻撃を、このクズで雑魚な俺に簡単に避けられたんだ。そう、お前の言うクズで雑魚のこの俺にな!」


「クソッ、調子に乗りやがって……!」


「あれぇ? どうしたんですかミメシスさん? まさか、本当に俺が無抵抗に殺されるとでも思ってたんですか?」


「黙れ! 次はない! 次こそはお前を殺す!」


「あれ、額にしわよっちゃってますよ。もしかして、焦ってるんですか? 俺に避けられたことを」


「黙れ黙れ!」


「黙れ以外の言葉を使えないんですか? 人でしょうあなた。あっ、人じゃなくて下等生物のスライムでしたね、ごめんなさ~い!」


 ミメシスの顔に青筋が走る。

 散々言われた……いや、散々てほど言われてない気もするが、言われた分は倍返しで言い返してやろうじゃないか。


「っていうか、お前のタレントの『擬態』だっけ? どんな姿にでもなれるのか?」


「……ああ、イメージができるやつはね」


「すげえじゃん! えっ、でもそれって自分の容姿好き勝手にいじれるってことだよな? うわー、実質的にセルフ整形じゃんそれ。整形百回とかしてるってことになるじゃん、うわマジかよ……」


 すると、とうとう我慢の限界なのか……。



「黙って聞いていれば、もう我慢の限界だ! お前を殺してやる!」


「やれるもんならやってみろよ!」


 俺は振り返って、走って逃げ始めた。


「待て! あたしの触手から逃げられると思うな!」


 ミメシスは体から無数の触手を生み出すと、一斉に俺めがけて襲いかかってきた。


「なッ、何で追いつけない!?」


 しかし、触手は一本も俺の所にはたどり着けなかった。

 それもそのはず、俺には『逃走』というスキルがあるからだ。

 このスキルは、逃げるときだけ足が超速くなるというもので、こういうときに役に立つのだ。


 そう、俺はミメシスには勝てない。

 だが、それと同時にミメシスも俺に勝てない。

 なぜなら、俺は永遠に逃げ続けるからだ。

 攻撃さえ喰らわなければ、死ぬことはない。


「何としても逃げきってやる! 40歳童貞のまま死んでたまるか!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ