始まった瞬間からコンティニュー
なんか新しいの書かないと勘が鈍りそうだったので…
「私は神だ。」
「…ワオ…」
襖を開けた途端ピンク色の異次元に放り込まれたかと思ったら次の瞬間神を名乗る神々しい人間?のようなナマモノが後光を発生させながら自分が神であると告げてきた。
…さて、話は変わるがこれが現実だと思える奴はそういう才能があると認めてもいいレベルの超人なのではないだろうか?
「そこは神パワーでゴリ押している。貴様が超人なのではない、私が理を超えた存在故だ。」
「成る程。」
心も読めるらしい、さすが神様、さて、俺はなんでこんなところに?
「簡潔にいうと襖を開けた途端ミルク色の異次元に飛び込んでしまいその先にいたドラゴンに焼き殺される前に地球とはあまりに違う異世界の環境と物理法則に耐えきれず肉体がまるで地面に叩きつけられ轢き潰された蛙のようになり絶命した。…つまり死んだということだな。」
「うん、簡潔じゃないよね、明らかに詳細説明だったよね、大丈夫か?ボケてるのか?」
しかし俺の質問、もとい鋭いツッコミを無視しつつ神っぽいナマモノは突如浮遊してを万歳をする時のようにあげ手の甲を地面と平行になるようにして叫ぶ。
「パル○ンテ!」
「アウトー!!」
呪文詠唱と同時に俺は緑の光に包まれた。
「とりあえず異世界へごあんなーい!」
「ウボアアアアアアアァァァァァ…」
妙な浮遊感に晒され俺はよく分からない空間に漂っていた。すると突如俺の灰色の脳細胞に語りかけてくる声が!
『ムショク…ムショク…聞こえますか?今あなたの頭に直接意思を送っています。』
(こ、こいつ!なぜ俺のゲームのキャラネームを!)
そしてついでになぜ直接脳内へ?
『話は後です。とりあえず異世界からa○zonで郵送されてきた貴方には特別な力を…』
謎の女性音声がそういった瞬間だったか、それともそれよりも早くか、俺は突然何かに掴まれ森っぽいどこかに放り出されていた。
森の中に放り出されていた。
「ほわい…なぜ。」
そう呟いてみるが全く連続性を感じられない超常体験が続くがどうやら今回はまとも…
『ヘーイ、ジャパニーズテンセイシャ!フォーウ!!』
うむ、俺にまともな超常体験は許されていないらしい、俺の目の前にはイカかタコかわからない軟体生物が黒光りする革製の…なんだろうか、SMものとかで女王様とかがきてそうな衣装をまとった似非外国人風の喋りを披露するナニカと対面していた。
なんだろうか、世界は俺にSAN値直葬級の狂気を叩き込んで何が面白いのだろうか、というかいい加減俺が死んだこと以外の説明くれ。
『ヨカロウナノデース!ココロシィテキクガイイ!!』
あ、説明してくれるらしい。
『ココハ『スィルィトソ』キミガ、キタイシテイルトオリイセイカイデース。』
なんだろうか、奇妙な名前だ。とてもじゃないが人間の発音器官では滑らかにいうことなどできなさそうな名前だ。
『モチロン、ケントマジィックノファンタジッィイセカイ!ラノベメイテルネ!イェイ!』
ちょっとうざい。
『そうか、じゃあ普通に行く。』
「そこで冷静になられても困る。」
『まあ、君はかくかくしかじか…もとい、天文学的な確率で発生した断片的物理法則の崩壊によって更にありえないほど途方も無い確率の彼方からその断面が異世界につながる確率を引き当て、運悪くそれが地球とは全く違う法則の支配する世界だったために即死したのを面白おかしく見ていた我々がせっかくだからと君を蘇らせ、ついでに君の周りだけを地球の法則の支配する領域とする凄いパワーを授けて異世界に送り込んだという訳だ。』
相変わらずというかなんというか、かくかくしかじかで纏まったはずのものをわざとバラしてくれるあたり親切である。
というか高次元生物であろう神様方にはかくかくしかじかで通じるのだろうが俺や普通の人間には通じないだろ、それ。
…ん?というか…
「俺の周りだけ地球の法則が支配するってどういう…」
『ぶっちゃけ、魔法と剣の異世界で都合よく物理法則が地球と同じところはあるにはあるんだけどそれだとありきたりで面白くないし、そもそもあっちはあっちでもうなんかめちゃくちゃだから君には一味違う異世界旅行をしてもらおうと思ってね…とりあえず手始めに君が即死した世界に君を放り込んでみた。』
ほわい…なぜ…いや、理由などないのだろう。ただ単に面白そうとかそういう理由であるとみた。
『正解だ。後、基本的に神は享楽主義者だ。君が面白くなくなればきっと元の世界に帰れるだろう。…ああ、後君には周囲の環境改変と言語理解能力をつけておいた。モチロンチートなんてないし、言語だってわかっても大体の世界で容姿が君のそれとは違うだろうから文化交流なんて無理だろうがね。』
何故そこまでわかっててそんな能力をつけたのか…いや、先ほど彼?彼女?も言った通りおもしろそうだったから、なのだろう。ひどく大雑把かつまったくもって非人間的な理由だが好奇心があるということは知性があり、それ以上に高等な知的活動のできるナマモノなのであろう。
『ははっ!面白いこと言うね、僕らは確かに君らのような形のものではないが少なくとも皆が皆自分を『人間』だと思ってるよ。』
「へ?それはどう言う…」
俺は問いかけようとしたがすでに得体の知れないナマモノは消え失せており、俺の目の前には巨大なトカゲがいた。
「…」
「…」
見つめ合うこと数瞬、トカゲは全身から血を吹き出し絶命、俺はそれを見て気絶、両者相打ちとなった。
「っは!」
次に俺が目を覚ますとそこは見慣れた風景があるこじんまりとした俺の寝室、身を起こして見てもなんの異変もない、扉をあけても、和室に行って襖を開けても、その奥のテレビをつけコタツに入っても何も起こらない、
「そうか…夢か…」
俺は安堵した。安堵のあまり余計なことを考えてしまったのだろう。人間、一度見たものや行ったところには何故か一瞬くらいもう一度を願ってしまうものだ。
…まあ、それが非常に余計だったのだが。
「ほへ?」
気がつくと俺は全身から血を吹き出し絶命したトカゲの前にいた。いわゆる熱帯雨林的な鬱蒼としたジャングル、その中に、である。
まず最初に混乱が、現状をうまく表すなら某アニメ映画の少女のセリフ『夢だけど、夢じゃなかった!』が適切であろうか?
『早速楽しんでいるな、人間。』
その上から目線な喋りにあの神という人物を思い出し横を見ると…
赤い傘をさした灰色の巨大な熊めいた何かが…有り体に言えばト○ロ的な何かがいた。ご丁寧にバス停留所の看板まで立ててある。
「これは一体…」
『…ふむ、あのタコ助が言っておっただろう?貴様に周囲の環境を改変する能力と言語取得能力をつけたと。』
それは聞いたような気がする。というか今更ながら何故こいつらとうまく喋れているんだ。俺は。
『神さまパワーだ。』
「アッハイ。」
それでゴリ押すのか、結局それでゴリ押すのか!?
『ははは!神のような高次の存在が下位の存在を頼るなどあり得ない、それこそ書物の中や都合のいい妄想の中での話だ。存在自体が低次元、貴様らでいうところの二次元のキャラクターに現実世界の政治問題や外交問題を任せないだろうし任せられないだろう?自分よりも次元の低い相手というのはどんな次元のものから見てもそのように見えるものだ。人間よ。』
神と名乗るナマモノはネ○バスが停留所に停まったのを見計らいそれに乗り込む。
『せいぜい楽しむがいい、望めば貴様はまた元の世界に戻れる。それが意識的であれ、無意識的であれ、貴様が帰りたいと望めば帰れるし、行きたいと望めば異世界に行ける。』
「お、おい!」
アレはそう言い残してネコバ○に乗り虹色の異次元に飛び込んで言った。…俺は今何と接触して何をさせられているのだろう。ふとそんな疑問が頭によぎり俺は元の向きに向き直ることとした。今の状態から振り返るように体をひねり…
「…きゅい?」
「…」
ヒヨコと鷹を足して鹿で割ったような珍妙な原生生物と目が合う。そしてそれが俺の周りだけに広がる地球の物理法則が適用されるラインに入ると爆発四散、どうやら忍者らしい、そしてそれを見届けた俺の胃の中身がリバースすると同時に気絶、残念ながらグロ耐性は一度二度じゃ上がらないのね。
モッピー_(:3 」∠)_