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隣のお姉さんは大学生  作者: m-kawa
第二章
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035 買い物 -Side秋田すず-

 当日になって、最初のインパクトは茜ちゃんに持っていかれちゃったけどしょうがないよね。

 茜ちゃんはかわいいし。でもナチュラルメイクだったのは救いかな。本気でやられるとホントに別人になるんだもん。あれは卑怯だと思う。

 ……普段はメイクどころか髪も適当だから、そのギャップもずるい。


「……あ、……おはよう、ございます……」


 そんな茜ちゃんを見て黒塚くんが固まっている。


「ふふ。びっくりしましたか?」


「いやー、やっぱり黒塚くんって面白いねぇ」


 予想通りの反応をしてくれた黒塚くんは面白かったけれど、なぜかチクッと胸にとげが刺さったような感覚があった気がした。


「じゃあ行きましょうか」


 そのあとは三人で連れ立って目的地へと向かう。

 そういえば黒塚くんには何も言ってなかったね。

 モールで買い物をするんだけれど、黒塚くんの意見が聞いてみたいという話をすると、首を傾げながら納得してくれた。

 もちろん荷物持ちもお願いしちゃうかもしれないけどね!


 午前中は主にウインドウショッピングだ。

 黒塚くんにカチューシャをつけてあげたり、アクセサリをつけてあげたりして遊んだ。

 当人は嫌そうにしていたけど、振りほどくように拒絶はされなかったので、本当は楽しんでいるんだと思う。……たぶん。

 本来の目的通り、自分につけてみて黒塚くんに「どう?」って聞いてみたりもしたけれど、顔を赤くして「似合ってる」とだけしか言ってくれない。

 それはそれで嬉しいけれど、何か物足りないような。男の子ってみんなこうなのかな?


 そろそろお腹が空いたのでお昼にしようという話になった。

 黒塚くんはそんなにモールに詳しくないとのことだったので、いつものおかゆ専門店に行くことにした。


「そういえば黒塚くんって、何か食べられないものってある?」


 ふと気になったので聞いてみると、なんと納豆がダメと茜ちゃんから返事が返ってきた。

 ショックを受けているとなんと、黒塚くんもダメらしい。

 なんてこったい。

 わたしは肩を落としつつもおかゆ専門店へと向かった。


 お昼ご飯の後は本日のメインである服選びだ。

 いくつかお店を回ったあとに、お目当ての『サフラン』までやってきた。

 ここの店長さんとは知り合いなので多少は融通が利くのだ。ある程度試着室を占領してもきっと大丈夫。……もともと広いしね。


「これどうかな?」


 さっそく黒塚くんを試着エリアに連れ込んで、着替えた服を披露してみた。

 どんな反応してくれるかなぁ。


「秋田さん……、とっても素敵です」


「へへ……ありがと」


 やっぱり男の子に褒めてもらえると嬉しいな。

 なんて満足していると、今度は隣から茜ちゃんが着替えて出てきた。


「黒塚くん、黒塚くん。私はどうですか?」


 なんとホットパンツにニーソックスだ。

 刺激的な姿にさすがの黒塚くんも反応できずに固まっている。

 数分も固まっていたんだろうか、ようやく黒塚くんが反応を示した。


「あう……、野花さんもかわいいです」


「ふふっ、黒塚くんもかわいいですよ」


 そんな様子を見ているとなんだかもやもやしてくる。……なんでだろう?


「あー、茜ちゃんずるい」


 頬を膨らませて抗議してみるけど、あっさりと返されてしまった。


「すずちゃんも着てみればいいじゃないですか」


「……うー」


 自分が茜ちゃんと同じ格好をしている想像をするけれど、普段着ない服だからか違和感が半端ない。というかとっても恥ずかしい。


「いいもん、私は黒塚くんで遊ぶから」


 結局わたしは黒塚くんで遊ぶことにした。

 無意識で黒塚くんの手を掴むと、そのまま試着室を出る。

 茜ちゃんも慌てて着替えずにそのまま出ようとしたけれど、ちょうど通りかかった店長さんに注意されてしまっていた。

 さらに店長さんは黒塚くんのことを知っていたらしい。

 話を聞いたら高校の友達にも、今からわたしがしようとしていることと似たようなことをされていたらしい。

 じゃあ問題ないね!

 さっそく黒塚くんの服を選ぶとさっそく渡してあげる。


「はい、黒塚くん」


「……はい?」


 何のことかわかっていなさそうだけど、わたしは素直に要望を告げた。


「ちょっと着てみてくれる?」


 そうして着せ替え人形にしてみたけれど、どの服も似合ってしまって驚いた。それに服装によっては、かわいいからカッコいいに変わるのもビックリだ。

 店長さんと茜ちゃんはしきりに感心していたけどなんだったんだろう。


 それからはさすがに疲れたらしい黒塚くんを連れて、三人で念願のパフェを食べてからプリクラを撮った。

 ここでもふざけて、茜ちゃんと二人で黒塚くんにキスをしているように見える角度で撮ってあげたら大いに慌てていて面白かった。

 途中で楽器屋さんにも寄ったけど、黒塚くんはねこふんじゃったを弾いていた。

 さすがに人通りの多いこんなところで、何か弾いてとお願いするのは躊躇われたのでやめておいた。

 あー、今日は楽しかった!

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