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白夜と音楽

作者: のぶ

絃が歌学の弓弦を調弦するとき、まだ朝は痕もない夜を覚えている。夢はあと少しで降りゆく月の崩壊を洩って消えゆくだろう。


だれが、ボクをよんだの?


と、云いたくなる六月の夏至に、いつまで経っても太陽が降りることがなかった。白夜の陽光が海に反映する夏は涼しかった。夜は暗く、それでいて暗い、日が音を立てて崩落する音楽を、いつまでも、知っている。


朝はもう少しだった。夜が月日を奏でている、夢が銅の鈍い色を奏でて英雄を葬儀するとき、まだ、華月の雪化粧が凛と叫び声を張り上げている。


終わりの街は終わった。


もうすぐ、夜が明ける。


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