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8 【ヨシュア付きメイドの話】

ユキお嬢様がおひとりでお出掛けになった!とお屋敷中が騒ぎになっている中、お嬢様のお世話係りをしているサリーが話をしに来ました。


え?こんな騒ぎの中、ヨシュアさまのことを聞きたいなんて、大丈夫なの?ずいぶんと呑気なのね。

あら、ヨシュアさまもご一緒だったの?じゃぁ心配ないわね。良かったわね、旦那様のご叱責を受けずに済んで。

あ、そうそう、ヨシュアさまね。えぇ、なんでも聞いてちょうだい。部屋付きメイドとして分かることならお答えするわよ。


ちょっと、壁を叩いて何をしているの?

防音?いえ、壁に防音設備なんてないわよ。そうね、ユキさまのお部屋の物音も、それなりに大きな音なら聞こえるわ。

ほら、先週、ユキさまが寝ぼけてベッドから落ちたことがあったじゃない?え?知らない?

落ちたのよ、あのやたらと大きな天蓋付ベッドから!うふふふ。旦那様と奥様が女の子にはコレ!って言ってご購入されたあのベッド。ユキさまみたいな小柄な方には高すぎるのよね。

もう深夜に近かったかしら。お勉強されているヨシュアさまにお茶を届けて、もう休んでいいって声をかけてもらっている時だったから。

バターーンって。うふふふふふ。あぁ、可笑しい。いえ、ユキさまを笑ってるんじゃないのよ。あの時は本当に驚いて。驚きすぎて思い出すと笑ってしまうの。

音を聞いた瞬間、私はびっくりして動けなくなってしまったんだけどね。ヨシュアさまったら流石に騎士の訓練を受けられているだけあるわね。あっと気が付いたら、ユキさまのお部屋の戸を叩かれていたのよ。

本当、いつの間に部屋を出られたのかしら。私がぼんやりし過ぎって言うのはナシよ。自分でも自覚があるんだから。


他に?そうねぇ、他にユキさまと関係があるエピソードといったら・・・。

あ、あれは知ってる?ほら、ヨシュアさまが去年お屋敷に来られたばかりの時に寝込まれてしまったじゃない?

奥様も体調が優れなくて。あぁ、確かサリー、あなたが奥様の看病をしていたんじゃなかったかしら?マリーナさんも寝込んでたし、あの時って私たちの間でも風邪が流行ってたわよねぇ。

はいはい、私たちの話じゃなくてヨシュアさまね。

ヨシュアさまはとてもお熱が高くて、色々とうわごとを言われていたのね。たまたま様子を見に来られていたユキさまが、何か聞かれたみたいでね。私や他のメイドに、自分が看病するからヨシュアさまのお世話は良いわって言われたの。

今思い返したら、あの時からじゃないかしら。ヨシュアさまがユキさまのこと気に掛けるようになったのは。

弱みでも握られたのかしらねぇ?


ところでサリー、あなたヨシュアさまの話を聞きたがるなんて、まさかヨシュアさまのこと・・・

ちょ、ちょっとお待ちなさいよー



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