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『ナンバーワンよりオンリーワン、目指せ異世界サスペンス』


「これ、なんて書いてあるの?どこの文字?」


ユキの私室に入ってきたヨシュアが壁に貼られた紙を指差して言った。というか、指差したっぽい。

鏡台の前でサリーに髪をセットしてもらっているユキは頭を動かせず、指差したであろう貼り紙について説明した。


「今年の私の抱負よ。私の国の言葉で書いてあるの」

「へぇ。で、なんて書いてあるの?」

「絶対一位より唯一無二!」

「・・・唯一無二なら絶対一位じゃないの?」

「目指せミステリアス雰囲気美人!」

「ものすごく抽象的で目指しやすそうだね」

「もう教えてあげない!」

「ごめんね。達成の進捗を教えてもらうのが楽しみだよ」

「さぁさぁ、仲良し話はそこまでに。お支度が出来ましたよ」


支度を手伝ってくれていたサリーに促されて立つ。今日は王都学園への発登校日だ。鏡には学園の制服姿のユキが映っている。

大き目の襟の白ブラウスは、襟ぐりが深いが胸元の仕切り布で無用な露出を抑えている。その布には学園の刺繍がなされ、杖と剣と王冠が装飾されたエンブレムは制服全体の格調を高めている。

胸下からウエストまで体にフィットしたスカートは黒い張りのある生地で、腰の辺りから足首までをふんわりと覆う。動きやすいように通常のスカートよりも短くされており、貴族の淑女には羞恥を与える丈だが、ユキにとっては好ましい長さだ。

サリーが丁寧にブラシをかけてくれた黒髪は艶やかで、肩から背中まで、黒い制服に同化して、雰囲気美人の外見作りに一役買っている気がする。


出来栄えに満足し、ニヤつきながら入り口を見ると、ヨシュアが退屈そうに扉にもたれて待っていた。


「きゃー!ヨシュア、格好いい!!」

「あら、お嬢様はヨシュアさまの制服姿、初めてですか?」

「うん!」

「そだね。この間まで早朝鍛錬で日の出前に家を出てたから寝坊気味のユキとは朝の挨拶まともにして・・・」

「うわぁ!男の子の制服、素敵~!これどうなってるの?」

「・・・めくるな」


歓声を上げながらヨシュアの・・・パレオ?パレオなの?をめくる。

なぜパレオ?それ以外は日本の学生服、学ランに似ている。ただし高級感がけた違いだ。白を基調とし、上着は詰襟で身丈が短い。パンツも折り目正しく、ストイックなまでにカッチリとしている。胸元にはユキの制服と同じエンブレム。ただし色が異なり、ユキの紋章は黒地に金糸に対してヨシュアのそれは青地に金糸だ。


「なんで紋章の色が違うの?この布は何?」

「制服の色と紋章は、クラスによって異なる。これはシーデ。実用性もあるけど、まぁ普段は装飾かな」

「馬子にも衣装。素敵ねぇ」

「同じセリフを返すよ」

「きゃっ!褒められた!ミス雰囲気作戦第一弾は達成だね!」

「君って前向きすぎて360度回ってるよね」


外見・内面ともにヨシュアのお墨付きももらったし、初登校はイケると思う!




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