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「ヨシュアって何クラス?私は何クラスになると思う?」
「僕は剣術クラス。ユキは試験を受けてみないと分からない」
「剣術クラスの他には何クラスがあるの?試験ってどんなことするの?」
「一般教養クラスの他に、剣術、魔術、医術、官僚クラスがある。試験では知力と体力、戦闘力や魔力なんかを見る課題があって、特出した能力があれば一般教養クラス以外の特別クラスに入ることになる」
「特出した能力って何?私にもあると思う?」
「・・・。ユキから魔力を感じたことは無い。体力も無いし運動神経も・・・。知力は高いように見えるけど、どうだろう。多分、一般教養クラスになるんじゃないかな?」
「えー、剣だって習えば凄いかもよ?で、一般教養クラスって何人いるの?」
「いや試験は技の熟練度を測るわけじゃなくて、適性をはかるものだから、習っているかどうかは関係ないよ。人数は正確には覚えてないけど、一般教養は3クラスあって1クラス20人ぐらいかな?他はだいたい1クラスか多くて2クラスしかない」
特性とやらは無さそうに見えるのか。なんか釈然としない。だってさ転生なんだもん、何か能力ありそうじゃない?凄い剣術で勇者になっちゃったり、癒しの術とか使って、救世主さま!とか言われちゃったり。
まぁ、確かに運動神経は無いから、剣術適性は無いかもね。でも魔力は?やったこと無かったけど、もしかして魔法の方は使えるんじゃない?!
よし、ちょっと試してこよう。確かナポレオンが羽を痛めたってマリーナが言ってたはず。私の黄金の右手で傷を癒してみよう。
「ユキ、どこいくの?」
「魔法が使えないか、ナポレオンで試してくる!」
いたいた。ふむ、確かに左の羽がむしれて鳥肌が見えてるところがある!まっててナポレオン!私が治してあげる!
小屋の柵を登り入り、ハンドパワーを当てようとじりじりと近づく。
「闇の力を秘めし我が右手よ、鶏王ナポレオンに癒しを与えよ!」
「クケーーーッ!」
「きゃーーーーーーっ!」
ナポレオンに触れるどころか半径1メートルにも満たない位置で皇帝キックを見舞われる。さらに流れるような踵落とし。踵の爪が手の甲の皮を引き裂く。
「痛ーーーい、痛い!!いやーーーっ、ふぎゃっ!」
ナポレオンの突付き攻撃を避けながら逃げようとしたら、小屋の柵を乗り越えきれずに地面に顔面から落下。
「痛い・・・」
目の前にヨシュアの靴先が見える。
「ユキ・・・。なんか、ごめん(見ちゃった)」
やめて、謝られた方が辛い。
「えっと、受身も取れないし戦闘力があるとは思えない。っていうか、もともとあるとは思ってなかったけど。あと、知力についての認識、間違ってたよ。・・・いや、あるとか無いとか以前の問題だよ。一体何召喚しようとしてたの?怖いって・・・」
珍しく混乱した口調で話しながら、ヨシュアが手を差し伸べてくれた。
・・・痛い。顔も痛いけど、人としての何かが凄く痛い。




