悪魔と彼女の狂気ー最奥ー
この詩は、悪魔と彼女の狂気の次のものです。
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読んでいただいた方は、よろしくお願いします(_ _)
「楽しいと感じたい」
「嬉しいと感じたい」
「安らぎを感じたい」
「感動を感じたい」
「生きていたい――――――――――――――――――――
「つまらないと感じる」
「悲しいと感じる」
「不安を感じる」
「無関心だと感じる」
「死にたい――――――――――――――――――――――
どうも私は 最近 あらゆることが
つまらなくなって
友達さえも 離れていったから
悲しくなって
このままじゃ 孤立すると
不安になって
こんな感情しか 持って居なかったものだから あらゆるモノに
無関心で……………
WHY?
どうして皆 私の許から 離れていくのでしょう
WHY?
どうして誰も 助けてくれないのでしょう
WHY?
どうして皆 私をそんな目で見るの?
皆が 私を置き去りにして 笑っている
本当に 本当に ココロから楽しそうに
学校での授業のとき 誰かが挙手して 答えを発表しました
其の人は 拍手を送られて とても嬉しそうにしていました
だから私も その気持ちが欲しくて
次に挙手して 答えを言いました
でも返ってきたのは 温かいものではなくて
酷く冷たい沈黙
教卓の前の先生が 首を横に振って
冷ややかに 嗤ったのです
私に浴びせられる 沢山の 罵声
私の耳に 酷く残る 嘲りの笑声
後ろ指を 指されるかのような
罵りを込めた 其の人差し指―――――――――――――――――――――
その時
彼女の中の何かに
亀裂が生じて
甲高い破壊音が
響いたのです
それは 小さな破片となり
もう 元の一つに戻ることはありませんでした
でも 其の欠片は同士で寄り集まって
欠けた一つ となりました
彼女の中のモノも同じように 欠けた一つとなって
欠けた一つは 同時に 二つも
存在していることになりました
ある欠片には 生の感情が
ある欠片には 死の感情が 集まりました
死にたくても 死ねない 生の感情
そんな 元は自分であったモノを 哀れにみる 死の感情
狂った狂った物語が 始まったのです
溜息一つ
生の感情の『彼女』は 部屋の中で 佇んでいました
もう生きる意味は無いのでしょうか
その時
ふと 何かを感じて 振り返ってみました
「僕が君を導いてあげましょう」
耳許に聞いた 甘い声
思わず 其のコトバに 聞き入ってしまいました
「君は生きたいの? 死にたいの?」
お互いのココロは 分からない
けれど 死の感情は 生の感情が何を望んでいるのかを 知っていました
知っていたから 死ぬことが出来ない生の感情を 哀れに思っていました
「私は………生きたい」
偽っている『彼女』を 不快にも思いました
「此の世界が 嫌いなんだろう? そうなんでしょう?
此の世界が 君を 認めていないんだろう?
なら どうして 此の世界に踏み止まっている必要があるの?」
死の感情は そう問うけれども
彼女は 首を横に振るばかり
無意味に 無関心の癖に 生きたいと思う彼女
早く どうして 楽になりたいと 思わないのだろう
「君はどうして 私に構うの」
突然 彼女が言い放ちました
でも其の問いに 答えは求めていなかったようで
泣きそうな顔をしながら もう一つ 溜息を吐きました
「私に死を求めるなんて
君は 『悪魔』だね」
『悪魔』は 『彼女』の生きたいと願う意味が 分からなくて
何度も 彼女に死を求め続けました
学校の帰り道 悪魔が彼女に囁きかけました
「其の踏切の真ん中に立っていてごらん? 君の求める安らぎがもうすぐやってくるよ」
家の中で一人閉じこもり 其の彼女に悪魔は語りかけました
「筆箱の中を覗いてごらん? 其の中に君を解放してくれる道具が入ってるはずだから」
でも彼女は悪魔の言うことに 耳を傾けませんでした
或る時見かねた悪魔が 彼女に言い聞かせました
「君は此の世界が 大嫌いなのに
どうしてまだ迷っているの?
君は生まれてくる場所を間違えてしまったんだ
でも途中下車してもまた乗り直せるよ? また切符を買いに行こうよ
今度はちゃんと正しい切符を買って 正しい駅で降りよう
怖がることなんて無いよ 痛みなんて ほんの一瞬だから
注射を受けるほどの 小さな小さな痛みなんだからさ」
さあ、と悪魔は笑みながら 闇のような手を差し伸べます
それでも彼女は 首を縦に振りません
代わりに 悪魔に泣きつきました
「私はあいつらが憎い 此の全てが嫌なの
どうして?WHY? 皆私を置いて 笑っているの?
どうして?WHY? 私を蔑み嗤うの?
私の生きる全てを 奴らに奪われたままでは
嫌―――――――――――――――――――――――ッッ!!」
そのことに眉を顰めた悪魔は 筆箱の中からカッターと鋏を取り出しました
「君をもっと絶望させてあげるから もっともっと 死にたくなるようにしてあげるから
君の真実を 解き放ってあげるから―――――――――――」
ある日の朝
彼女が 学校に登校すると
皆が 惨死していました
其の中に佇む 黒い影は
右手には 赤黒いカッターを
左手には 粘着質な鋏を持っていました
悪魔は彼女が 復讐のために生きていたことを知り
彼女に 安らぎを与える為に
殺戮行為に 自らの手を 染めました
僕等は 元は一つ
僕が死を望むのなら 彼女だって きっとそう
別れてしまっても 想うことは同じだし
片方が何かをやれば もう片方も それをやったのと同じになる
彼女は悪魔の手に自らの手を重ねました…………………………
ある一人の少女が 消失しました
ココロに 疑念を残したまま
とある過去の日の授業中
拍手を貰えるという 喜びが欲しくて
ある一人の少女が 挙手しました
けれども 少女の答えは 不正解でした
教卓の前の先生が 首を横に振って
難しい問題だったから 仕方がないと 笑いました
(冷ややかに 嗤ったのです)
級友は少女に 優しく 声をかけました
(私に浴びせられる 沢山の 罵声)
また次があるよと 微笑みました
(私の耳に 酷く残る 嘲りの笑声)
大丈夫だからと 手を差し出しました
(後ろ指を 指されるかのような 罵りを込めた 其の人差し指)
『どうも私は 最近 あらゆることが
つまらなくなって
友達さえも 離れていったから
悲しくなって
このままじゃ 孤立すると
不安になって
こんな感情しか 持って居なかったものだから あらゆるモノに
無関心で……………』
その訳は
年一度の クラス替えをしたから
『WHY?
どうして皆 私の許から 離れていくのでしょう
WHY?
どうして誰も 助けてくれないのでしょう
WHY?
どうして皆 私をそんな目で見るの?』
そんなの
彼女の 勝手な
『被害妄想』
『君は 全てが恨めしくて 憎くて 異常なまでの 被害妄想をして………』
此の物語は『彼女』の勝手な 思い込み
此の物語は『悪魔』の勝手な 思い込み
此の物語は 一人の少女の 勝手な――――――――――――――――――――――――
『被害妄想』
読んで頂きありがとうございます!!
結構グダグダでごめんなさいm(_ _)m
感想やレビューなどして頂ければ、私飛び跳ねて喜びます!!
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