第一話
この旅は、俺がいくつもの人生を渡り歩き、やっと観つけた。希望の物語である。
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???「何ぼーっとしてるの?早く帰るよ」
そう話しかけてくるのは、眼々白紅。幼馴染と言ったところだろう。
「はいはい。ごめんね、ぼーっとしてて」
眼々「謝ることじゃないけど...まぁ分かったならいいよ!」
分かったならいいのかよと心の中でツッコミを入れつつ、後ろをついていくのだった。
僕たちは今受験生だ、高校受験の真っ只中。眼々は勉強を進めているらしいが、僕に至ったはからっきし。全くしていないと言っても差し支えないだろう。
眼々「そんな調子で同じ学校に入れるの?」
「勝手に同じ学校に入ると思わないでほしいが...」
眼々はその言葉を聞くと、まるで信じられない言葉を聞いたかのような顔をした後、遅れて「へっ?」という素っ頓狂な声を上げるのだった。
眼々「...なんで?」
「いや、断定をされるとこちらとしても少しそれを求められているように感じるからな」
眼々「えっとどういうこと?」
「まぁ別に決まったわけじゃない。もしかしたらそこに入るかもしれないし、入らないかもしれない。」
眼々「行きたいって言ってたじゃん」
「行きたいと行けるは話が別だ。あそこは確かに実力主義だ。だからこそ僕に合うかと思ったが、入らないのなら仕方がないと言うやつだろう。僕を落とす学校に入るつもりはさらさらない」
眼々「いつものように自己肯定感が高いのね...」
そんなもの高くてなんぼだろうと言わんばかりの顔をし、僕はスマホゲームに意識を向けるのだった。
眼々「明日から、旅行に行こうよ!」
「は?旅行?」
僕がスマホゲームをし始めて30分ほど経っただろうか。え?もうそんなに経ってるの?それは一旦置いておいても、僕には彼女が何を言っているのかわからなかった。
だから僕はもう一度聞き直す。
「どういうこと?」
眼々「あなたのお父さんが、2人で行ってきなさいってチケットくれたの。まぁ私も受験生だけど、たまには気分転換しに行かないとね!」
「中学生2人にあいつは旅行に行ってこいって言ってるのか?」
僕の父は自由奔放な人で、母を連れて世界中を飛び回っている。そんな金がどこから湧いているか知らないが、そのおかげで僕も一人暮らしができている。眼々に関してはなぜか僕の父と仲がいい。
眼々「そう言うわけで行きまshow〜!」
「気分がノっているところ悪いが、僕はいくつもりはない」
眼々「ふ〜ん、お父さんに言ってお金止めてもらおうかな」
「勘弁してくれ!それだけは!」
眼々「じゃあ付いてきなさい。用意はもうしてるから」
「は?」
こういう時は準備が早い奴であり、いつのまにか整えられていた盤面に、何も出来ずに王手されてしまった。
王手をかけられた僕は何も言わずについてきてしまった。旅行は2泊3日らしく、一応受験生ということで一日2時間は部屋にいる時間があるらしい。
眼々「お父さんがスケジュール考えてくれたんだって、流石だね〜」
「まじでなんなんだあの人」
眼々「私もちょっと思ってた。あの人何者なの?」
「わからない人間に聞いても返答はI don't know一択だろう?」
眼々「それもそうだね」
それからの3日は早かった。いや、あの時は少し長かったな。
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「温泉があるのか、まぁ遅いしそろそろ入るか」
眼々「そうだね!」
温泉の目の前まで来た僕たちはその文字に呆気に取られていた。
「混...浴....」
眼々「お父さん、知ってたのかな」
「あいつならやりかねない。えっと一旦ここは...!」
眼々「その...一緒に...入る?」
その一言に僕は少し固まって
「入らない」
そうキッパリと断るのだった。
眼々「まぁあなたならそういうと思ったわ。私って魅力ないのかな」
その言葉に少し可愛げを覚えながらも
「ないんじゃないか?」
と突き返すのだった。
ジャンケンで風呂の順番を決め、風呂に浸かる。やけに人が少ないと思っていたが、後々聞くと貸し切っていたらしい。本当にどんな財力なんだよ。
風呂に浸かっていると、ガラガラと扉が開く音がした。
他の客かと思い、特に気にしていなかったが、そこから少し経ち、体を洗い終えたのかタオルを包ませて湯船に浸かりにくる。その髪色に少し見覚えがあって
「お前...順番決めたろ!」
そう叫ぶのであった。
眼々「別にいいじゃない。減るものじゃないんだし」
「そうかよ」
眼々はこんなことをしておきながら、恥ずかしいのか眼を合わせずに顔を耳まで赤らめていた。
その時間は一瞬で、はたまたとても長かったが過ぎ去り、残りの旅行も終わってしまった。家に戻った僕たちは、久しぶりの家に安心感を覚えるのだった。
気分転換を終えた僕たちの受験期は一瞬で過ぎ去った。入試当日、筆記と実技の試験が午前午後に分かれて行われる。
俺は筆記の試験を満点で終えた。後から分かったとかではなく、そう確信があった。そして実技試験。内容は他の受験生との1on1。それをランダムで3戦執り行い、その内容、結果をもとに決まるらしい。
眼々「実技は行けるの?」
「逆に、いけないと思ってるのか?」
眼々「そう思ってるけど思いたくない」
「どっちつかずだな」
眼々「なんか雰囲気違う?」
「そんなことないが」
眼々「勘違いかな?」
第一回の対戦が始まる。武器の持ち込み等に禁止はなく、禁止されているのは殺しのみ。
???「お前が俺の対戦相手か」
「そう...らしいな」
???「へへ...俺の名前は御尭。お前を倒す男の名前だ。覚えておけ」
「俺のことを倒したら覚えておいてやるよ。」
こんなやつにあれを使うまでもない...か
御尭「俺のskill、電磁浮遊は電気を操り+と-を操って引き寄せたり出来る。」
「自分のskillをペラペラと喋るんだな」
御尭「声を上げながら握力を測ると強くなるらしい。それは研究で証明されてる。俺はskillを相手に言うと勝つ確率が上がったと証明するんだよ」
「じゃあその証明は無駄になっちまうな」
その言葉が響き、また自分の耳に入る頃には決着は既に決まっていた。
「負けるわけにはいかないもんでな」




