第七話 ド迫力級
会場は400メートルトラックのある広さの校庭、トラックの内側が戦場のような荒野となっており、トラックから外側はまるでコロッセオのような観客席となっている。新校舎は国の技術の最高傑作のようなものであり、校庭にも様々な技術が施されている。観客席は安全になっており、バリアを展開している。トラックの内側は様々な戦場を想定した訓練ができるように今回解説場所になっている校庭制御室で設定をいじることができる。観客席も設定により呼び出している。そしてその観客席はほとんどが埋まっており、開催のアナウンスとともに歓声が響く。
母公「本大会の進行を努めさせていただきますのは私、みんなの育ねえと」
神体「戦闘関連の解説はこの神体源限が、」
鍛治田「武具についての解説は鍛治田新がお送りする。」
観客「うぉー!」
観客「我らの育ねえー!」
母公「さあ今から始まるわけですが、お二人さん、どう転ぶと思いますか?」
鍛治田「本大会ではペアでの総合力も試されます。旧校舎で築き上げたランキングはほとんど当てにならない試合になると思いますね」
神体「確かにそうだな。戦闘科のランキング上位者はそこまで武具の強さに依存している奴は少ないからな。逆に武具鍛治のランキングも同じような感じであるから、ランキングもまた見直さねばならないかもしれないな」
母公「なるほど、どうですか?お二人の注目選手とかいたりするのでしょうか?」
神体「やはり戦闘科だと新総学園の生徒代表になったさ、河原井咲は注目でしょう。彼女はペアが高屋相馬になってからの成長が凄まじいから自身よりもランキングの上位者たちに下剋上を起こしてもなんら違和感はありませんね。ですが本大会は私の一番弟子も出ますからね、やはりどうなるかは戦闘能力だけでは決まらないでしょう」
鍛治田「武具鍛治の方も注目の人はいますね。ここ最近一気にランキングを上げた人がいます。そちらの方がバックに控える選手はやはり注目したいところです。」
母公「ありがとうございます。それではもう一つだけ聞きたいことがあります。本大会には元造兵の人たちも出てくるようですが、どこまでやってくれるでしょうか」
神体「少し長めに話させていただくが、まず規格外の準備をした男がいる。先ほども少し出たが、河原井咲のペアである高屋相馬だ。俺は彼に招待状を渡し、紙をコピーして造兵のメンバーを好きなだけ増やしていいと言いました。結果何人参加させたと思います?」
鍛治田「ほう、彼のことだからな、前の戦いで少し発言していた落ちこぼれ五大将と呼ばれる5人は参加しているのではないか?」
母公「なるほど、自分の準備、咲ちゃんの準備にプラスで5人も準備をしていると」
神体「いえ、なんと彼は自分と咲も含めて合計で18人もの準備をしてきたのです。」
観客「!!」
鍛治田「な、なんと、18人もの準備をたったの数日でやってくるとは!」
神体「彼はあの日の集会の後、元造兵約1000人のデータを集め、さらに18人もの大会準備を施すという、正直私も少し引いてしまうくらいのことをやってます。」
母公「彼は寝てるのでしょうか?」
神体「ああ、体力的に心配はあるが、体のメンテナンスも含めての準備です。それはともかく彼らの活躍にも注目していきましょう。」
母公「あっ、ということで今、私の手元に選手入場の台本がやってきました。それではこのタイミングで選手入場です!」
観客「わーーー!」
次々と入場してくるのを拍手で迎える観客席の人たち。
母公「さあ、選手入場も最後の方に突入してまいりました。ここからは各選手陣にナレーションがついてまいります。ここからさらにボルテージを上げてまいりましょう!次に入場するのは造兵からの出場者、ドベを知っている彼らにこそ下剋上を許されているのか、新たなる荒波に全てを落とし込む、『Drop into the new rough waves』の登場です!」
造兵の10人が登場する。
会場のボルテージがさらに上がっていく。
観客「頑張れー!」
観客「応援しているぞ!」
今まで底辺だった彼らもこの間の決戦以降認められる存在として歓声を受ける。彼らは感動での涙を堪え、手を振って入場する。
母公「さあ、続きましても造兵からの出場者、彼らはなぜそこにいたのか、埋もれた天才たち、才能を解放させる時はきた!落ちこぼれ五大将の入場です!」
謙剛太を先頭とし、5人が登場する。
母公(!…あの子、まさか!)
神体「あれ?4人しかいなく無いか?」
鍛治田「いやよく見てみろ、3人目の後ろ、かなり重なっているがしっかりと5人いるぞ」
神体「ほ、本当だ。なかなかに存在感が薄すぎてよく見えていなかった」
神体
鍛治田「もしかしたら彼のあの存在感の薄さを武器に戦っていくのかもしれないな」
そしてボルテージはまだまだ上がっていく。
母公「さあ、残り11人となりました。まだこの流れは続く、
全校集会でのあの戦い、そこにいたものはしかと見届けたでしょう、あの熱い戦いをもう一度、昔ながらの親友コンビ、茂崎健太と高屋相馬の入場でーす!」
健太「もちろん、わかっているな」
相馬「ああ、決勝で会おうな」
2人は拳を交わす。
母公「残りの出場者は9人、戦闘科のTOP10メンバーの入場です。」
咲を含む9人が登場する。各々が集中していて、誰1人喋ろうとはしない。この空気に会場もピリつき始める。
健太「なかなかすごい風格だな、俺にはオーラが見える」
相馬「ああ、俺にも見えるぜ。とくに咲の後ろに4人ほどやばいオーラのやつがいるな」
健太「ああ、そこともさらに格が違うみたいな」
選手全員に緊張感が走る。
母公「そして全員の選手入場が終わりました。」
神体「なかなかに集中しているな、これは面白くなってきたぞ」
母公「この戦場に数100人の選手が勢揃いしました。しかし、トーナメントに進めるのはわずか32名、まずは予選からスタートです!それではここからは源限に任せますね。」
神体「ああ、それでは予選を始めよう。予選はたったの一回一発勝負、これでランキング1位から32位までが本戦に進める。すでに告知している通り、この予選では各々の必殺技、最強の技を披露してもらう。この俺と、鍛治田の2人体制で審査をさせてもらう。先に言うが、不正はしない、えこひいきもしない。採点基準はただ一つ、戦場において使えるかどうかだ。1人10秒、10秒ごとに戦場は元通りになる。好きなだけ破壊してもらって構わない。時間がかかるからスムーズに行なってくれ、順番は今みんなの左手の甲に書いてある。順番は完全ランダムだ。それでは順番に始めていく。それではいくぞ!」
(ポチッ)
神体はスイッチを押し、選手たちの中央にさらに空間が生まれ、バリアが展開される。中には戦闘機が一体いる。
鍛治田「このエリアの中での攻撃は外には被害を生まない。人間は自由に通り抜けることができるが、他の選手の攻撃に巻き込まれないように注意だ、またそこにある戦闘機は私が作ったもので、機能のないレプリカだ。すぐ再生する。殴り蹴り、破壊してくれ。」
神体「それでは1番の人からスタートだ。」
そしてどんどん一人一人技を披露する。
高田「はっ!とう!」
会場のはるか上空へジャンプし、そこから衝撃波を地面に向けて放つ高田渡。
神体「ほう、いいジャンプ力だ。」
母公「なんと、とても派手なデモンストレーションです。『Drop into the new rough waves』、造兵からの刺客、高田渡選手が後ろの人たちにプレッシャーを与えていく!」
経月「次は俺だな、とぅ!」
戦闘機の懐に入り込み剣を突き刺す。貫いた剣の先端から刃物が出現し、勢いよくとび、降り注ぐ。
神体「流石だ経月成、ランキングTOP6、学園最多の経験を持つ者の実力はやはり伊達ではない」
火柱「見せてやる彼の武具の力を!はあ!」
右手に炎、左手に雷を出し、上空へ投げる火柱太陽。上空から炎を纏った雷が戦闘機に落ちてくる。
(ゴロァーン!)
観客「おー!」
鍛治田「この武具、風林石火のものですね、魔術師の異名は健在ですね」
(ドガーーン!)
会場全員「!!」
爆発音がしたと思ったら会場が静まり返る。
母公「な、何が起こりましたの⁈」
相馬「どうだ!最強のロケットランチャーの火力は!」
バリアの内側は焼け野原と化していた。
観客「あんなのに当たったらひとたまりもないぞ!」
神体「それは凄い、戦場制圧には最高の武器と言えるな。さすがは高屋相馬だ。期待を全く裏切らないな!」
母公「な、なんと言う爆発力、これはランキング一位候補でしょうか…なんと!暫定一位だそうです!」
最強のロケットランチャーで暫定一位となる相馬、後方の挑戦者にプレッシャーをかけるが、果たして彼を超える記録は出てくるのか!




