第四話 男の友情っていいなぁ
相馬と健太、2人は目を合わせている。まるで目だけで話しているかのように集中している。
相馬「健太、これを使え」
健太に向かって右腰につけていたナイフを投げる。
咲「相馬!」
鍛治田「なにを考えているのだ彼は!」
相馬「底のボタンを押せ」
(カチ)
ナイフが刀へと変化する。
神体「あれはナイフではなかったのか!これは不意打ちに使えるな!」
健太「懐かしいなあ。チャンバラごっこたくさんやったよなぁ」
相馬「ああ。あんたは強かったよ何があって俺の前から姿を消したのだ?」
健太「そんなこと、親友のお前ならわかるだろ?もしわからないなら今から教えてやるよ!」
健太は相馬に斬りかかる。刀と刀がぶつかり合う。
健太「どうした!そんなにさっき受けた傷が痛むか!」
相馬「くっ!流石に連戦はきついな!だが!」
相馬は刀を弾く。
相馬「俺はまだまだ戦える!」
健太「チッ!おりゃー!」
刀と刀が激しくぶつかり合う。
健太「本当に懐かしいなあ。あの頃は俺の方が強かったのに、成長したな!」
相馬「あんたこそ!腕に磨きが掛かってる、コソ練でもできる環境だったのか?」
母公「本気同士のぶつかり合いってこんなに凄まじいのね」
健太「落ちこぼれになっても俺は強くなるために訓練は欠かさなかった!いつかあいつらを見返すためにな!だから!」
(スパッ!)
相馬のお腹を刀が浅く切り裂く。
相馬「あぐっ!ガハッ…くそ!」
相馬は傷口を手で塞ぐが出血は止まらない。
健太「相馬。お前何かあったのか?まるで昔のお前とは違いすぎる。何がお前をそこまで変えたのだ。」
相馬「!!…やっぱりあんたは俺の1番の親友だ!次の攻撃がその答えだいくぞ!はぁー!」
相馬は次の一撃に全神経を注ぐ。
健太「…来る!」
相馬「はぁー!」
相馬は一瞬で健太の懐に飛び込み、ガードさせる暇もなく剣を突き刺す。
(グサッ!)
健太「うっ!」
健太の右肩を切り裂き、血の雨が降る。すぐさま右肩を抑えるが、こちらも出血は止まらない。
健太「ふふっ、なるほどな。相馬も苦しいんだね」
相馬「健太。やはりあんたは」
健太「ああ、お前は」
2人「最高の親友だぜ!」
(カキーン!カキン!カキーン!)
また刀同士が激しくぶつかり合う。
咲「なんでだろう。刀で切られたら普通痛すぎて立ってるのもやっとなはずなのに、なんで、なんでそんなに楽しそうなの?」
神体「これが男の、親友の友情って奴だ。やはりこのような関係があるのは羨ましいもんだな」
相馬「はっ!ふっ!とりゃ!」
健太「だぁ!とりゃ!はぁ!」
ひたすらに刀がぶつかり合う音が何度も響き渡る。
鍛治田「実力が拮抗している。刀同士の戦いでここまでもつれているのが何よりこの戦いの重さを物語っている。」
しかし、少しずつ体力が削れるとともに刀がお互いの皮膚を切り裂き始める。
2人「はあ、はあ、」
健太「はあ、ここまでもつれ込むとはね。はあ」
相馬「はあ、俺らより先に刀が力尽きそうだ。はあ、どうだ、次の一撃で決着をつけないか?」
健太「そうだな。はぁ、ではいくぞ。おー!」
相馬「はぁー!」
神体「これで決着が付く!」
2人「はぁー!」
(シュイーン!)
砂埃が舞い、刀がとても強くぶつかった音が聞こえる。砂埃は徐々に消えていき、そこには胴体に深く刃の通った傷を負った相馬の姿が現れる。相馬の手元には刀は無くなっていた。相馬はゆっくりと床に倒れた。
咲「相馬ー!」
神体「いや待て!あれを見ろ!」
そこにいたのは刀が心臓を微かに避けたところに刺さっている健太の姿があった。
健太「ゲホッ、ゲホッ!確かに刀は刺さったが、これを見りゃわかるよな。最後に立っている俺がこの試合の勝者なんだよ!なあ相馬。昔からそうだっただろ?」
健太は10年前のチャンバラごっこを思い出す。
健太「あの頃も最後は俺が立ってあんたが倒れてた。だからよ、だからこそよ、今回も俺に勝たせてくれよ!ガハッ!」
(ズン!)
健太はゆっくりと倒れた。
母公「大変!流石にやりすぎだわ!」
咲「助けないと!」
鍛治田「待て!この戦いには水を差すな!」
咲「水を刺すなって!もう決着はついたのよ!」
鍛治田「それはどうかな?相馬を見てみろ」
咲「…えっ?」
相馬は立ちあがろうとしていた。
相馬「ゲホッ、ゲホッ!そうだな。いつもあんたは強かったよ。だからこそ、あんたにずっと憧れてた。あんたの強さにずーっと憧れてた。だから俺は強くなれたんだ。あんたの言うとおり、最後に立ち上がった奴がこの試合の勝者なんだよ。だから俺は立ち上がるんだ!」
相馬は右手を高々とあげ、拍手と歓声と泣き声に包まれる。
相馬「聞こえるか健太。この歓声はあんたが作ったんだ。あんたはもう落ちこぼれでも役立たずでもない、人を動かせる人になったんだ。」
健太「そ、相馬、すまなかった。俺だってお前とずっと一緒にいたかった。でもお前の進む道に俺はついていけなかった。お前と離れると思うともはや生きる意味を見出せなくてね、ズルズルとテキトーに生きてきた結果がこれだ。だが、最後にまたお前に会えたこと、お前と勝負できたこと、とても幸せだったぜ。」
相馬「…」(これが健太の幸せ、なのか)
相馬「俺も健太との命のやり取りはとても楽しかった。幸せを生み出せるのだというのなら、俺は…まあともかく、何これが最後みたいに話してるんだ?俺はもう誰1人として仲間を死なせない!」
相馬はポケットからボタンを取り出し、近くの地面へ投げつける。すると緑のエリアが展開され、2人の傷が癒えていく。
鍛治田「なんだ、あの道具は!」
咲「あれは!あの時私のために使ってくれた回復のエリア!」
相馬「前の時より性能は数段アップさせてる。このレベルの傷にも対応できるようにね。」
鍛治田(回復装置だと!そんなものが実現可能なのか)
相馬(やはり、彼にこれを見せるのはよくないと思ったがまあしょうがないか)
健太「相馬、お前はどこまで凄い奴なんだよ!」
相馬「俺はまだまだ伸びてくぜ!のんびりしてたら置いてくからな!」
健太「ああ、そうだな。とにかく、今日俺はお前に負けた。約束通り、俺らを導いてくれよな。今のあんたならいくらでも信用するぜ。」
相馬「ありがとうな健太。」
健太「また、やろうな」
相馬「ああ!」
拳を交わす。
咲「これが男の友情ってやつか。いいなぁ」
咲(見てる?冴ねえ、この2人は本当にいい親友だね)
咲は空を見上げて目を閉じ、感傷に浸るのだった。
鍛治田「2人とも、そして造兵の戦ったみんなもよく頑張った。これで戦いは終了だ。約束通り、造兵のみんなは高屋相馬、彼に従って新たな人生を過ごしてもらう。わかったな⁈」
造兵の生徒はみな首を縦に振り、頷く。
母公「さあ、それではとても熱いぶつかり合いの後になってしまいましたが、これは集会です。最後にもう一つお知らせがあります。」
相馬「そういやめっちゃ途中だったな」
健太「そうだね」
母公「来週の土曜日に新総学園の設立を記念して文化祭を執り行います。」
全校生徒「文化祭?」
母公「詳しい詳細についてはこの後各学科ごとで連絡をさせていただきます。と言うことですこーしばかり長くなってしまいましたが、集会を終了させていただきます。司会は私、母公育実が務めさせていただきました。それでは学科ごとの集会に移ります。まずは各々自分の部屋に戻ってください。」
なんのかはわからないが、最後は拍手締めとなった。生徒たちは各々の部屋へと戻っていく。
相馬「造兵のみんな、みんなも疲れてるだろうぜひこのエリアに入って傷を癒してから戻ってくれ」
剛太「相馬とやら、いい戦いっぷりだったぞ。」
相馬「えっと、謙剛太さん。戦ってくれてありがとう。正直いいとこに攻撃が当たってなかったら俺が負けてた。強かったよ。」
剛太「ふっ、とりあえず今度また話し合おうな。休ませてくれてありがとうな」
相馬「またな」
そうして傷を癒してから部屋へ戻っていく。
咲「相馬くん!」
相馬「咲、ごめんな。心配させすぎて」
咲「もう、せめて武器ぐらい装備しなさいよね。あなたの戦闘力には武器の力を入れてもいいのよ」
相馬「そうだね。だけどこれがケジメって奴だ。まあ、今回は親友相手だったからってことでゆるして」
咲「わかったわよ。次からはこんな無茶はさせないからね。そんなことよりも見つかったのね、あなたの目的が」
相馬「ああ。咲のおかげだ。」
相馬(俺はもう迷わない。咲のため、健太のため、仲間のために俺は命をかけてこの世界と戦う。そして本当の幸せを掴んでやる!見ててくれ、さーちゃん!)




