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37.一周忌

今日は祝日、文化の日。

肩が上がらないと言うから、店、開けた。

「先輩。越えたんちゃいます?」


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。

 松村太郎・・・小学校の後輩。


 =====================================


 私の名前は辻友紀乃。

 辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。

 旦那は「腹上死」した。嘘。

 本当は、がんだった。

 膵臓がん、って奴だ。

 私は、鍼灸師で柔道整復師だ。

 お馴染みさんは、これでも多い方だ。

 今日も、「お馴染みさん」の話。小学校後輩の話。

 今日は祝日、文化の日。

 肩が上がらないと言うから、店、開けた。

「先輩。越えたんちゃいます?」

「お前、はっきり言うなあ。最近、乳バンドきついねん。」

「乳バンド・・・ウチの母もブラジャー言わんと乳バンド言うてました。」

「一周忌、どうやったん?」

「11時集合で読経が30分。30分だべって、もうお昼やな、で帰りました。」

「あっさりしてるなあ。普通は、そこから弔問客の親族だけ墓参りして、家族は留守番、ちゃうの。皆が帰って来たら『ご苦労様』言うて手を洗わせて。」

「ない。まあ、姉が足悪いこともありますけどね。僕も足悪いのに毎月墓参り行ってますけどね。もう、日を置いてから行きますわ、一人で。いつものように。」

「後、法事は?」

「来年、三回忌やって終わり。母は三回忌まででええて言うてたし。まあ、気ィのもんですわ。」

 起き上がりヘルパーで起き上がる間に、用意していた『ご仏前』を出した。

「これは、持って来た?」

「流石に、ご仏前とお供えは持って来ましたよ。まあ、どうせ、僕は孤独死するんやし。」

「アホ。死にそうになったら、私に連絡せんかい。何でもやったるで。オッパイ吸うたらあかんで。」

「先輩・・・都合ついたら、三回忌来てくれません?来年やけど。」

「ええよ。家出したとき、お前の家に泊めて貰ったなあ。お母さん、『今日はただでええで』って言って。」

「よう覚えてはりますね。3人で撮った写真、まだありますよ。あ、仏壇に飾りますわ。母も、その頃のこと思い出すかも知れんし。」

「ああ、そうしてくれ。」


 松村が帰った後、久しぶりにワインを飲んだ。

 昔を思い出して。

 いつの間にか、寝入ってしまった。


 ―完―



もう、日を置いてから行きますわ、一人で。いつものように。」

「後、法事は?」

「来年、三回忌やって終わり。母は三回忌まででええて言うてたし。まあ、気ィのもんですわ。」

起き上がりヘルパーで起き上がる間に、用意していた『ご仏前』を出した。


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