表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/38

33.蜂が恐いか鍼灸が恐いか

 

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。

 板東啓吾・・・辻鍼灸治療院の常連。

 早乙女優・・・辻鍼灸治療院の常連。

 花菱綾人・・・南部興信所所員。

 横山鞭撻・・・南部興信所所員。


 =====================================


 私の名前は辻友紀乃。

 辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。

 旦那は「腹上死」した。嘘。

 本当は、がんだった。

 膵臓がん、って奴だ。

 私は、鍼灸師で柔道整復師だ。

 お馴染みさんは、これでも多い方だ。

 今日も、「お馴染みさん」の話。

 最近、お馴染みさんになった、板東。

 大きな体のくせに、気が小さい。

 板東の治療は、普通の針。

 昔、鞭打ち症になって以来、鍼灸の世話になっていると言う。

 引っ越してきて、ウチの常連になった。


 治療が終って板東が帰って、次の患者を迎えていると電話がかかってきた。

「せ、先生。助けて下さい。」


 外に出ると、自転車の近くで板東が奮えている。

「どうした?」

 震えながら、自転車の荷台を指さす板東。

 蜂か。

「待ってなさい。」

 私は、とって返して、蜂用の殺虫剤スプレーを持ってきた。これは、薬局お勧めの強力なスプレーだ。バズーカ砲みたいに発射することも出来る。

 そこに、通りがかった、花ヤンこと花菱さんと、横ヤンこと横山さんがいた。

 私は、迷わずスプレーをかけた。

 花ヤンが、クルマから出して来た団扇でパタパタやると、蜂は側溝に落ちた。

「みなしごハッチやな。」と横ヤンが言い、この辺に木や花が無いから、この人の自転車でサイクリングしてきたんやな。2人乗りではない、な。」と言った。

 2人の会話は、まるで漫才師だ。

 私は、また引き返して、ウェットティッシュとタオルを持って来て拭いてやった。

 板東は、花ヤン横ヤン、そして、私にペコペコ頭を下げ、帰った。


 部屋に帰ると、早乙女がブラジャーを外しながら、言った。

 別に、私といかがわしい行為をする準備ではない。

 ブラジャーがきついのだ。

 早乙女は、私よりも尚、豊満な胸だ。男遍歴も・・・おっと、これは個人情報。

「先生、事件ですか?」

 治療用浴衣を着ながら、早乙女が尋ねるので、あらましを話した。

「さあ、蜂の針がええか?馬の針がええか?」

「どっちもキツいけど、先生の毒舌ほどやないわ。」

「こらまた失礼しました。」


 ―完―



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ