31.変な別名
「犯罪の万博?だっさ。なんやそれ?ひとに犯罪させる警官?要らんわ。」
「そやから、人数たらんからって、何でもありにしたら、あきませんやん。」
「まあな。柳が聞いたら、泣くな、また。」
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。
幸田仙太郎・・・友紀乃の後輩。
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私の名前は辻友紀乃。
辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。
旦那は「腹上死」した。嘘。
本当は、がんだった。
膵臓がん、って奴だ。
私は、鍼灸師で柔道整復師だ。
お馴染みさんは、これでも多い方だ。
今日も、「おとくいさん」の話。
と言っても、後輩の幸田だ。
「犯罪の万博?だっさ。なんやそれ?ひとに犯罪させる警官?要らんわ。」
「そやから、人数たらんからって、何でもありにしたら、あきませんやん。」
「まあな。柳が聞いたら、泣くな、また。」
「世の中には行きたくても行かれへん人も仰山おるのにねえ。もともと警邏とか警備とか嫌やったらしいです。」
「なんや、事務志望か?警察は無理やろ。今日から暴力団担当言われたら、仕方無く担当するやろ、普通。どこのボンボン盆暗や。」
「そういうことです。人生、舐めてますわ。」
「あんたとこも警察出身の人いてるんやろ?」
「ああ、花菱さんに横山さん。むちゃくちゃ怒ってましたわ。警察官も警備員も好きでやってる人はおれへん、って。ウチはね、先輩。大方の警察官が再就職する警備会社ほど厳しくないんです。2人とも、結果的に良かった、って言ってますわ。」
「ほな、南部興信所に再就職させるか?そいつ。」
「無理。厳しくない言うのは、『規則』。ルールを守れんヤツや自己中は所長は嫌いです。犯罪は犯罪。ゲームやない。」
「そら、そうやわなあ。世の中色んな仕事あるけど、みんな辛抱して仕事してるねん。政治家や、政府の事務員さんには分からんやろうけどな。公務員も点数制にして欲しいな。」
「何かしでかしたら、切符切られて減点。点数無くなったら自動辞職ですか。そらええなあ。」
「生き恥さらして生きてもらいましょ。出耒たで、いっちょ上がり!!」
幸田は、予約をとって帰った。幸田の場合、仕事が仕事だから、予約なしでも治療する。
可愛い後輩やからな。
幸田のお陰で患者も増えた。しかも大抵リピーター。
まあ、私の「うで」もあるけどな。
ヤクザでも黙らせるでえ。
あ、明日、スルメ買おう。
―完―
「なんや、事務志望か?警察は無理やろ。今日から暴力団担当言われたら、仕方無く担当するやろ、普通。どこのボンボン盆暗や。」
「そういうことです。人生、舐めてますわ。」
「あんたとこも警察出身の人いてるんやろ?」




