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12.後輩

「幸田。ありがとうな。」

私は、入って来るなり、幸田を抱きしめた。

「お前は、やっぱりエエ後輩や。」

「く、苦しい。先輩の愛情に応えるのは当たり前です。」


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。

 幸田仙太郎・・・友紀乃の後輩。


 =====================================


 私の名前は辻友紀乃。

 辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。

 旦那は「腹上死」した。嘘。

 本当は、がんだった。

 膵臓がん、って奴だ。

 私は、鍼灸師で柔道整復師だ。

 お馴染みさんは、これでも多い方だ。

 今日も、「お馴染みさん」も「お馴染みさん」、幸田の話。


「幸田。ありがとうな。」

 私は、入って来るなり、幸田を抱きしめた。

「お前は、やっぱりエエ後輩や。」

「く、苦しい。先輩の愛情に応えるのは当たり前です。」

「お前・・・口説いてんのか?」

「何で、そういう展開になるかなあ。」と言いながら、服を脱ぎ始めた。

 幸田は、普通の針や。残念ながら、『上半身』だけや。

「冬馬がなあ。ものすごい感謝してた。興信所に中元贈るって言ってたわ。」

「そうですか。まあ、仕事ですからね。先輩経由でなくても結果は同じでしたけど。判断するのは本庄先生やし。」

「謙遜せんでもエエ。お前は誇らしい後輩や。」

「ありがとうございます。」

「人間、色んな所で壁に当たる。選択肢はどれにしてええか分からへん。今日は、お前の澄子の前のラブ遍歴を聞かせて貰おうか。後の予約入ってへんから。今日は、休みなんやろ?正直に言うんや。そしたら、セックスだけはせんでもええ。」

「えと・・・あ、コイナバを話せばエエ、ということですね。」

「ああ。ワコ以外のな。」

 幸田は、嫌な顔をした。

 ワコとの不倫を勧めるのは冗談や。嫌がるから、「おちょくってる」だけや。

「おちょくってる」「おちょくる」は、関西弁で「おどける」から由来する。

 お調子者のことを「ちょけ」と言うが、ここから派生している。

 要は、「からかう」ことだ。

 お互いの信頼関係がないと、これはハラスメントになる。

 だから、「おちょくり」は、相手の反応次第では、直ちに謝罪し、撤回する必要がある。

 まあ、大抵の「ちょけ」は調子に乗り、ブレーキが効かない。

 政治家や、身分役職を持った者に多い傾向だ。

 以上は、客の『受け売り』。だが、人間関係で悩んでいる者には『よく効く薬』。

 心身共に面倒みるのが私の仕事。

「幸田。今日はくおっとだけオマケしといてやるわ。料金とチャウで。針や。」

「ありがとうございます。俺は、エエ先輩がいて、幸せ者です。」

「ホンマか?」と、衣類を脱ごうとしたら、幸田は硬直した。

 可愛い、後輩や。

 ―完―


ワコとの不倫を勧めるのは冗談や。嫌がるから、「おちょくってる」だけや。

「おちょくってる」「おちょくる」は、関西弁で「おどける」から由来する。

お調子者のことを「ちょけ」と言うが、ここから派生している。

要は、「からかう」ことだ。

お互いの信頼関係がないと、これはハラスメントになる。


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