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第2話 リララはザルタ村にいるのか?

 外れだ。



 ■


 王都ケリスのギルドに戻り魔女は無事始末した旨を受付嬢に伝えた。


「流石ですねゾルさん、もうA級昇格試験を受けたらどうです?貴方ならS級だって夢ではありませんよ?」

「無駄にランクが上がると仕事も難しくなるし一度の依頼で時間がかかる」

「あぁそうでした人探しが目的でしたね」

「それが解決したらまた考えるよ」


 時間は大切だ、リララがいなくなって10年、ゼーラ王国中を探すのだって力がなければ苦労する。だから死ぬ気で修行した。

 冒険者になったのだって時間の融通が利くことと金を稼げること、合法的に色々な地を踏めるからだ。


「B級だと行ける範囲に限界がある......か」


 借りている部屋に戻り新聞を読み漁る。


 ほとんどが取るに足らない情報、リララはおろか魔女の話題もほとんどない。


「――ん?」


 ある地方新聞の端に聞き馴染みのある地名があった。


「ザルタ......連続殺人?」


 ザルタ村は故郷の村だ、リルルとの思い出もある。



「......ザルタでズタズタに切り刻まれた複数の遺体......血の海......地獄絵図......」


 凄惨な現場だったのだろう、文面でも散々煽られている。


 そして何より目を引いたのが――

『――なお、最近、村人ではない少女の目撃情報がザルタ付近にあり彼女が犯人ではないかとまことしやかに囁かれている。何故この平和な村でこんな悲劇が――』

 少女――


 ザルタ村、少女――リララ?


「行ってみるか」


 10年ぶりにザルタ村に戻る事にした。



 ■



「......懐かしい」


 ザルタ村は山の中にある為、山道を練り歩く。


「っ......」


 ザルタに近づいていると思うと緊張してしまう。


 元々よそ者だった両親を流行り病で亡くして近所の人に育てられた。だがそいつは自分の子を亡くしていて俺のことをひどく毛嫌いした。


 だからそいつらとの思い出はない、村の奴らからだって闇の魔法を使ったというだけで散々痛めつけられたし、最後は追放された。

 真冬の時、雪も降っていたのに薄着で靴すら履かせてもらえなかった。


「......着いた......」


 変わらない、薄れた文字で書かれている看板『ザルタ村』

 昔と違い、今では魔物襲撃率は大幅に下がっていて平和らしい。


 突然の来客に疑念の目を向ける村人。


「......どうでもいい、リララを探そう」


 村人に情報収集する気は起きなかった。


「おい、よそ者「――邪魔だ」


 あの場所へ急ごう。

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