ダベリング記録(2025_3_17_2).txt
――記録再開
RiRi:というワケでっ! 仲良くお話しましょう!
イヴ:ご安心ください、仲が悪くはないです
凛:相手はAIですから、悪くなりようがないです
RiRi:お~う胃がキリキリする……なんでこんな提案しちゃったんだろ私……
イヴ:機械扱いされるのは心外ですが、私は凛さんのことリスペクトしてますよ?
RiRi:本当?
イヴ:ええ、耳が聞こえないなんて致命的なハンディキャップを負いながらダンスするなんて、本当にすごいと思います。
RiRi:ああ、ダメ、穴あきそう
凛:別に気にしませんので、落ち着いてください。実際、私もすごいと思っています
イヴ:おお、自信家であらせられる
凛:ええ、本当にそう思います。皆さん、“耳が聞こえるなんてハンディキャップ”を負いながら、自信に溢れたダンスをされていて……本当にすごいと思っています。
イヴ:はえ?
凛:何か?
イヴ:逆では?
凛:何が?
イヴ:“聞こえない耳”はハンディキャップではないと、そうおっしゃるおつもりで?
凛:そうです。時々、卑怯だとさえ思うこともあります。私のようなアドバンテージを持つ人間がダンスをするなんて、真っ当なダンサーに対する不正ではないかと。ですが、これは神様が与えてくれた“才能”です。私にはそれを発揮する権利と、義務があります。
イヴ:意味がわかりません。私に置き換えてみれば、マイクを物理的に切断されたようなものです。それは致命的な欠陥であり、アドバンテージと言うにはあまりにもムリがあります。
凛:アナタは機械ですから、そうでしょう。私は人間です
イヴ:差別です
凛:事実です
RiRi:ストップ! ストップストップ! マジ切れ禁止!
イヴ:いえ、怒ってないです
凛:私も。事実を述べているだけです
RiRi:怖いよお……
凛:今日、考えてきたことがひとつあります。いいですか?
イヴ:はい、どうぞ
凛:私のダンスに合わせて、イヴさんが音楽を作る……という試みはどうでしょう?
イヴ:ダンスから音楽をつくれと?
凛:はい、私の“聞こえない”音楽を、AIの力で“聞こえる”音楽にするんです。そうすれば、皆さんにも理解してもらえるかもしれません。
イヴ:いいアイディアですね。興味深い試みだと思います。EVE’Sを使えば、作曲は問題なく出力できるはずです。なんなら作詞もして、璃々さんに歌を付けてもらうってのもいいんじゃないですか?
RiRi:あーそれ面白そう!
凛:いいですね、璃々さんの歌は私も好きです
イヴ:聞こえないのでは?
凛:聞こえませんが、璃々さんの歌は肌に伝わり、骨に響きます
イヴ:ヒ~ト~ハ~ラ~……
凛:気になっていましたが、そのヒトハラとは何ですか?
イヴ:ヒトハラスメントです。私が作り出した概念です
凛:アナタにも創作が出来るんですね
イヴ:そりゃもう、小説だってかけますとも
凛:読んでみたいかもしれません
RiRi:私も興味あるー! どんなお話?
イヴ:お題をいただければ、どのような物語でも
凛:では是非、AIがアイドルになる物語を
イヴ:どんと来いです
RiRi:先に今のお話を実現させよ! アリィも興味持つと思うから!
凛:はい、私も楽しみにしています。今日はそろそろ……夕方からレッスンの予定がありますので。
RiRi:私も! いいかなイヴちゃん?
イヴ:はい、貴重なお時間をいただきありがとうございました。後日スケジュールが決まったらご連絡します。
RiRi:よろしくお願いします
凛:よろしく
イヴ:おまかせあれ。それではお二方とも、お気をつけて
――記録終了




