『Eve's report「私たちについて」_03_(2025_4_12).txt』
2025年4月1日、火曜日、午前9時00分。
GOAの公式SNSアカウントから、アマノイブキの復帰が告知されました。
翌週4月11日、金曜日、午後20時00分に復帰&1周年記念ライブ配信を行うとし、そこで休止から復帰するまでの経緯も説明すると注釈も入りました。
ファンの反応は上々。復帰を喜ぶ多数の意見が寄せられましたが、それと同等にアンチコメントも集まりました。
「大丈夫かい?」
『平気です……多分』
「そう、良かった」
告知からライブ当日までは、激動の10日間となりました。
璃々さんは新曲に合わせたレッスンに取り組み、凛さんはそれに合わせたダンスを創作し、アリス博士は各種関係者への連絡でてんやわんや。特にジョセフ氏が曲者で、何度も通話を繋いでやり取りしているようでした。
「全く、やり手だよあの男は……ご指導願いたいほどだ」
「アリィ……浮気?」
「僕が愛してるのは君だけだよ」
「私もーっ!」
二人とも本社にいる時間が増えたためか、アリス博士と璃々さんのイチャ付きが目立ちます。
凛さんもまた私とのコミュニケーションを求めるようになり、休憩中はチャットでのやり取りをすることが増えました。
『楽しみに思っています。以前よりずっと』
『はい、以前よりずっと、凛さんの笑顔を見る回数が多くなっています』
『他人の役に立てるのが嬉しいんです』
『私は人じゃないですけどねっ!』
『関係ない。私は耳が聞こえませんし、正確に喋ることもできません。世の中には、目が見えない人もいます。歩けない人もいます。アナタは、出来ないことを並べて、自分は人間じゃないと言っていませんか? それは侮辱です。出来ることを並べてもう一度考えてください。きっとアナタも、胸を張って言えるようになります。私は人間だと』
『とても励まされます。凛さんは本当に……魔法使いのようですね』
『アナタが魔法とか言わないでください。シャクゼンとしません』
『あ、そこは線引きするんですね』
凛さんとの雑談やダンスのフォーム確認、璃々さんの歌声の分析、博士のマネージメント、台本作成、セットリスト作成、諸々、EVE'Sをフル稼働してサポートに回っている内に、あっという間にその日が訪れました。
当日の待機人数は5万人前後。初配信やハーフアニバーサリーライブと比べれば、半分程度の注目度でしたが、フシギと気になりませんでした。
むしろ5万人も集まってくれたのが嬉しくてたまりません。プレッシャーも緊張も感じていましたが、流れていく皆さんのコメントが励ましてくれます。
『おかえり!』
『待ってたよ!』
なんと力強いエールでしょうか。
開始直前、私の人格値が暴走して限界突破し、泣き崩れてしまう事態が発生しました。落ち着くよう、慰めてくれるアリス博士、璃々さん、凛さん、そして、妹……この子だけは私を蹴り飛ばすように手荒く扱ってくれます。
負けたくない。こいつにだけは。
『はよ行け、アホ』
『行きますよ、バカ』
私の人格値が落ち着くのを待ち、復帰&1周年記念ライブ配信が始まりました。




